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「君は牛を二頭持っている」(きみはうしをにとうもっている、英:You have two cows)は、主に欧米語圏で、一連の政治的ジョークの始まりによく用いられる定型文である。この文が用いられているジョーク・皮肉一般を指すこともある。なお、ここで言う牛(cow)とは雌の乳牛のことである。 この定型文が意図するところはすなわち、「君は牛を二頭持っている。」という例文に沿って、政治そのものや政治に関する概念、また通貨、資本、生産方式など、さまざまな概念を暗喩するジョーク・皮肉のことである。 ==歴史== この類のジョークは、経済学の入門教材でよく用いられている例に端を発する。それは通貨のない社会で隣人と畜産物を交換して暮らしている農夫の喩え話で、次の文章から始まる。 *「君は牛を二頭持っている。そして鶏を欲しがっている。であるならば、鶏を持ち牛を1頭欲しがっている他の農夫を君は探し始める。 ("You have two cows; you want chickens; you set out to find another farmer who has chickens and wants a cow".)」 元々この喩え話は、最後には貨幣制度を導入することになる結果から、交換経済の限界を訴えかけるものであった。しかしながら、後に生まれた「二頭の牛」のジョーク・皮肉において、農夫は現代の本格的な経済システムに既に組み込まれている人として存在しており、また牛は流通制度や資本、生産物、資産の隠喩として用いられている。多くの場合、この類のジョークは、それらの制度の欠点や理不尽さを指摘することを目的としているが、言い換えればそれら欠点や理不尽さを皮肉っているものとも言える。 この類のジョークは、1944年という早い時期から既にアメリカの学者の間で話題になっていた。その年の『ザ・モダン・ランゲージ・ジャーナル(''The Modern Language Journal'')』の記事では例として下記を取り上げている〔George A. Henninger, "In Defense of Dictionaries and Definitions", ''The Modern Language Journal'', January 1944, vol. 28, pp.29-39〕。 *''社会主義'' *:君は牛を二頭持っている。だから隣の人に一頭あげよう。 *:(You have two cows. You give one to your neighbor.) *''共産主義'' *:君は牛を二頭持っている。だからその牛を政府に提供した後に、君は政府から牛乳を配給してもらえる。 *:(You have two cows. You give them to the Government, and the Government then gives you some milk.) *''資本主義'' *:君は牛を二頭持っている。だからその二頭の雌牛のうち一頭を売って、雄牛を買おう。 *:(You have two cows. You sell one and buy a bull.) *''国家社会主義'' *:君は牛を二頭持っている。だから政府は君を撃ち殺し、その牛を持ち去っていく。 *:(You have two cows. The Government shoots you and takes the cows.) 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「君は牛を二頭持っている」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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