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吹田市立スタジアム : ウィキペディア日本語版
市立吹田サッカースタジアム

市立吹田サッカースタジアム(しりつすいたサッカースタジアム、)は、大阪府吹田市万博記念公園にあるサッカー専用スタジアム
日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)に加盟するガンバ大阪(G大阪)がホームスタジアムとして使用する〔ことを前提に、G大阪が主体となった任意団体(スタジアム建設募金団体)が建設した。完成後に吹田市が寄付を受けて施設を所有し、G大阪の運営会社である株式会社ガンバ大阪が指定管理者として運営管理を行っている。指定管理の契約期間は2063年3月までの約48年間で、スポーツ施設としては異例の長期契約となっている。
公共施設を民間資金(寄付金等)で建設し、完成後も指定管理に委ねることで、行政が一切経費を支出せず公共施設を保有するという(官民連携、PPP)の先駆的事例としても注目を集めている。
Jリーグ公式戦の略称表記は「吹田S」。一部の報道機関からは「吹田スタジアム」の呼称も使われている。
== 建設の経緯 ==
Jリーグ開幕からG大阪のホームスタジアムであった万博記念競技場Jリーグクラブライセンス制度のスタジアム基準を一部満たさず(屋根の不足など)、老朽化も進んでいる上、収容人数などが国際サッカー連盟(FIFA)の国際規格を満たさないことから、2008年にG大阪が出場したスルガ銀行チャンピオンシップは、日本サッカー協会セレッソ大阪(C大阪)に協力を要請する形で、C大阪のホームスタジアムである大阪長居スタジアムで行われたという経緯があった。このことを踏まえ、G大阪は2008年7月18日に「地域行政に頼る形ではなく、ガンバ大阪が建設への更なる前進を進めるべく調整・検討をしております」とのニュースリリースを出しG大阪主導による新スタジアム計画の推進を公表、当時のホームタウン4市(吹田市・茨木市高槻市豊中市)内で建設を目指すことを明らかにした。
翌2009年7月11日、G大阪は新スタジアム建設について以下の方針をとることを明らかにした。
* 建設場所は万博記念公園内を前提に日本万国博覧会記念機構(万博記念機構)、吹田市、大阪府と調整する。
* 収容人数は32,000人、FIFAのスタジアム基準を満たすため全面屋根付きとし、エコロジーに配慮して屋根にソーラーパネルを設置し、太陽光発電により電力供給の一部を担う。
* 建設資金推定金額は150億円を想定し、このうち約20億円を各種助成金、残り130億円を一般および企業等からの寄付金で充当する。
この計画を受け、吹田市は当スタジアムを使用することを前提に2018/2022年FIFAワールドカップ招致における国内立候補地に名乗りを挙げた。
事業主体については、G大阪が中心となって任意団体スタジアム建設募金団体」を設立し(後述)、建設資金の寄付の受け皿となると共に同団体が建設工事を発注することになった。
しかしその後、吹田市は調整の中でスタジアムの寄付採納にあたって以下の4条件をG大阪及びスタジアム建設募金団体に提示した。
# 吹田市は「座席数32,000席以上、かつ2面以上の屋根つき」「40,000席への増築可能な設計」であることを条件に完成した施設の寄付を、物納でのみ受ける(金銭での寄付は受けない)。
# 吹田市は、スタジアム建設用地に係る固定資産税相当額以上の負担はしない(万博記念機構からの用地賃借料等に対する補助は行わない)。
# 吹田市は(将来的に生じる)大規模修繕費を一切負担しない。
# 吹田市はFIFAワールドカップ招致に伴う座席数40,000席への増改築費を一切負担しない。
このうち、特に1番目の条件については、法人税法第37条の解釈の関係から、寄付のすべてを(仮にスタジアム建設に剰余金が生じた場合でもその剰余金を含めて)吹田市に寄贈する前提でなければ税金の減免対象となる「国等に対する寄附金」に相当しなくなること、建設を確実にするためにスペックを落として建設に着手しても「座席数32,000席以上、かつ2面以上の屋根つき」の条件を満たさない限り吹田市に寄付採納を拒否されることから、当初目指していた2010年3月吹田市議会への「スタジアム採納」に関する議案の上程を見送り吹田市との協議を中断、寄付手続き開始も採納予定地方公共団体である吹田市議会による承認が得られないことから先送りするとともに、吹田市もFIFAワールドカップ招致の立候補を取り下げた。建設予定地については、万博記念公園の他、京都大学大学院農学研究科附属農場(高槻市)も視野に入れながら再検討を行うこととなった。
スタジアムの設計・施工については指名形プロポーザル方式による「設計・施工一括発注方式」を採用し、「30,000人以上収容のサッカースタジアムおよび陸上競技場の建設実績の有無」「経営事項審査評点 1,800点以上」の条件を満たす大林組鹿島建設清水建設大成建設竹中工務店の5社にプロポーザルへの参加を依頼、大林組・鹿島建設・竹中工務店の3社が応諾しプロポーザルを実施、2010年8月6日に設計施工者が竹中工務店に選定された事が明らかにされた。
2011年5月に吹田市が新スタジアムに対する受け入れ姿勢を示したことで、2010年3月以降中断していた吹田市との協議を再開。2011年10月24日に新スタジアムを万博記念公園内の南第1駐車場横のスポーツ広場に建設する方針が固まり、吹田市にスタジアム建設決定の報告書を提出。12月26日、吹田市議会で万博公園内でスタジアムを建設するための関連議案が承認された。
その後、2013年2月にスタジアム建設募金団体が実施した地盤調査の結果、建設予定地の地下に旧日本海軍山田地下弾薬庫跡とみられる大きな空洞が見つかったことで建設開始がずれ込むも、吹田市の環境影響評価条例に基づく環境アセスメント評価の手続きを経て、2013年12月15日にスタジアムの起工式が行われた〔。建設中の仮称は「吹田市立スタジアム」(すいたしりつスタジアム)であった。2015年7月、吹田市はスタジアムの指定管理者として運営・管理を委任する契約を株式会社ガンバ大阪と締結した〔。2015年8月、正式名称が「市立吹田サッカースタジアム」と決定した
2015年9月30日に竣工し、スタジアム建設募金団体から吹田市にスタジアムが寄贈された。10月9日にスタジアムの夜間照明としてパナソニック製のLED投光器が納入され。10月10日にスタジアムの竣工イベントが行われた。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「市立吹田サッカースタジアム」の詳細全文を読む



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