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『告発のとき』(こくはつのとき、''In the Valley of Elah'')は、2007年のアメリカ合衆国のドラマ映画。米国内で実際に起きた事件をもとに、イラク戦争の現実を描いた作品。 第64回ヴェネツィア国際映画祭、第32回トロント国際映画祭で上映。主演のトミー・リー・ジョーンズは第80回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。 == ストーリー == 2004年の11月1日、ベトナム戦争にも従軍し軍警察を退役して隠居生活をしていたハンク・ディアフィールドの元に、軍に所属する彼の息子マイクがイラク戦争から帰還して間もなく無断離隊し、現在行方不明であるという連絡が入る。息子を信じながらも不審を抱くハンクは、配属されていた部隊のある基地へと向かう。 だが、マイクの行方に関することは一切判明せず、その捜索について軍関係者や地元警察はまともに取り合ってくれなかった。途方に暮れる彼だったが、女性刑事のエミリー・サンダースが協力を申し出てくれたため、彼女にかすかな期待を寄せる。 しかし、その期待は無残に裏切られてしまう。マイクが切り刻まれた焼死体で発見されたというものだ。息子の死に絶望するハンクではあったが、軍と警察との曖昧な管轄権の立ちはだかる中、エミリーの助力も得て死の真相を究明しようと行動を起こす。 軍側はマイクが麻薬を常用していたことから、薬物取引のトラブルで売人らに殺害されたのではないかとの見方を示すが、ハンクは自らの軍警察での経験を活かし、マイクの殺害現場を特定しただけでなく、同じ部隊の兵士らの証言の嘘を見抜いた他、軍がハンクに隠していた無許可離隊している兵士の存在に気付くなど、独自の捜査を進める。しかし、いずれも事件の真相を暴くまでには至らなかった。捜査が行き詰まる中、マイクの同僚の1人ボナーが首つり自殺する。これにより、ボナー単独による犯行との見方が強まるが、エミリーがマイクのクレジットカードの最後の利用時のサインが別の同僚ペニングのものであることに気付いたことで、マイクの同僚兵士3人(ペニング、ボナー、ロング)による犯行が明らかになる。ところが、ペニングとロングの自供を得た軍は彼らを警察に引き渡さずに、軍の内部で処罰することを決める。納得が行かないエミリーは軍側の担当者であるカークランダー軍警察警部補を半ば脅迫する形で強引にペニングを引きずり出し、ハンクの前で真実を語らせる。 ペニングはマイクを殺害し、切断の上、焼いた経緯を淡々と語る。些細な理由でマイクが殺された事実とともに、イラクでの異常な体験が彼らのまともな人間性を完全に失わせてしまっていたこと、それはペニングたちだけでなく、マイクも同じであったことを知らされたハンクは、戦場からのマイクの助けを求める電話にただ「しっかりしろ」と言うだけで気遣ってやれなかったことを悔やむ。帰宅したハンクは、マイクが生前にハンクに贈るはずだった古びた星条旗を見つけると、その星条旗を役場の旗竿に「救難信号」を意味する逆向きに掲げる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「告発のとき」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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