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破風(はふ)は、東アジアに広く分布する屋根の妻側の造形のことである。切妻造や入母屋造の屋根の妻側には必然的にあり、妻壁や破風板(はふいた)など妻飾りを含む。 == 概要 == 破風とは、元は切妻造、入母屋造の屋根の妻側部分を広く示す名称である。屋根の平側に、ドーマーのようにあえて部分的な切妻造の屋根をつけて破風を生じさせ、屋根装飾とした例が日本の神社建築や城郭建築に見られる。日本では平安時代ごろ以降に千鳥破風や唐破風が現れ、室町時代末期から安土桃山時代にかけての時期に、神社建築の権現造や城郭建築の天守のように複数の破風を組み合わせるデザインが考え出された〔近藤豊 『古建築の細部意匠』〕。 日本の一般住宅の妻壁部分には、下見板張などの板壁やモルタル、漆喰塗籠などの塗壁で仕上げられ、鼻母屋には破風板や化粧板金が付けられるが、城郭建築や寺院建築の妻壁には、木連格子や漆喰、または、豕扠首(いのこさす)などの化粧材を見せることもある。幅の広い破風板に漆喰や黒漆などを塗布し、懸魚という彫刻を施した板を取り付けることが多い。破風板に飾り金具を付けるとさらに華美になる。 入母屋破風の三角形部分が小さく、建物の桁行方向へ中心寄りの破風を「立所(たてどころ)が深い」という。この「立所が深い」入母屋破風は安土桃山時代および江戸時代初期より前のものに見られる〔。 ファイル:Nijo Castle 1.jpg|大入母屋破風と唐破風(軒唐破風)がある住宅建築 二条城二の丸御殿(京都市中京区)。 File:NagoyaCastleTower.jpg|千鳥破風と唐破風が混在する城郭建築(正面下から2重目の比翼千鳥破風、3重目の大千鳥破風、4重目の軒唐破風。) 名古屋城復興天守(愛知県名古屋市) ファイル:Zakuroguchi.JPG|近世の銭湯に設けられた石榴口に見られる唐破風意匠 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「破風」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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