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数学における整域の分数体(ぶんすうたい、)あるいは商体(しょうたい、)とは、与えられた整域に対してそれを部分環として含む最小の体である。整域 ''R'' の商体の元は ''a'' ≠ 0 および ''b'' なる整域 ''R'' の元によって分数 ''b''/''a'' の形に表される。環 ''R'' の商体が ''K'' であることを ''K'' = Quot(''R'') や ''K'' = Frac(''R'') のように表すこともある。 : この構成物はしばしば「商の体」 とか「商体」 あるいは「分数の体」 とか「分数体」 などと様々に呼ばれるが、それらは個人の感覚や趣向によるものである。また「商体」と表現すると環のイデアルによる商(商環、剰余環)と紛らわしいが、それとはまったく異なる概念である。 ここで整域は環として単位的である(乗法単位元を持つ)ことは仮定しない。商体の構成は、零因子を持たない任意の非自明な可換擬環という意味での整域に対して有効である〔Rings, Modules, and Linear Algebra: Hartley, B & Hawkes, T.O. 1970〕。 == 例 == * 有理整数環 Z に対する分数の体 Frac(Z) は有理数体 Q である。 * ガウス整数環 ''R'' := の分数体 Quot(''R'') はガウス有理数の全体 である。 * 体(それ自身を整域と見るとき)の商体は、同型の違いを除いてもとの体自身である。 * 与えられた体 ''K'' 上の一変数多項式環 ''K'' は整域であり、その分数体は一変数有理函数体と呼ばれ ''K''(''X'') で表される。 * 一般に、与えられた体 ''K'' 上の多変数多項式環 ''K''..., ''X''''n'' は整域であり、その分数体は多変数有理函数体と ''K''(''X''1, ..., ''X''''n'') である。 * 同様に、与えられた体 ''K'' 上の一変数形式冪級数環 ''K''[] もまた整域であり、その分数体は一変数形式ローラン級数体あるいは形式冪級数体と呼ばれ ''K''((''X'')) で表される。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「商体」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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