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商業演劇(しょうぎょうえんげき)とは、演劇のジャンルの一つで、特にその興行方式に特徴がみられる。 もともと、商業演劇という言葉は、芸術志向的な演劇を目指す新劇運動の側から、従来の旧劇(歌舞伎)や新派劇などに対して批判的に使われたもので、こうした言い方は日本独特であるとも言われる。海外においては、文化政策やショービジネスとして、利益が出てスタッフ・キャストに出演料を払い生計が立つのがプロであり、日本においては、江戸時代までの伝統演劇や新派ではプロとアマチュアの区別(大歌舞伎と地歌舞伎)が厳然と有るが、新劇に関しては海外のように労組に属すなどのプロとアマチュアの区別が無く、アルバイトで生計を立てていてもプロと称する俳優がいる反面、利益を出して生計を立てていても商業演劇の俳優を見下す傾向が新劇にあった。 == 商業演劇の主役 == 商業演劇の最も大きな特徴は、「まず "主役" ありき」ということである。演劇全体が主役のために存在しており、主演俳優がいかに格好良く・美しく目立ち、観客の心を掴んで、笑わせ・泣かせるかに舞台の成否がかかっていると言ってもよい。 そのため主役には、確実な集客が見込める、著名な俳優や、演歌歌手、人気アイドルなどが選ばれる。一般に著名・人気というだけではなく、集客のため、各界に広いコネクションを持っていることも重要である。主役は「座長」と呼ばれ、観客の多くは、主役タレント目当てに劇場を訪れる。 演技力は当然求められるが、演技力を超える容姿・話題性・人気などがあれば、多少のことは許される部分もある。 商業演劇の劇場は、1ヶ月公演(1週間程度の御稽古で25日間公演)なので、かつては集客力の有る看板となる俳優を12ヶ月に12人集めれば、1年間の公演スケジュールが埋まったが、現在は看板となる俳優・歌手が少ないので、商業演劇も収益を出すのが難しい。(無料で視聴するテレビの人気者が、有料の劇場で集客力が有るとは限らない。) かつての歌手は、演歌歌手でもポップスやジャズを歌ったので、演歌ファンだけでなく、ポップスファンやジャズファンも集客できたし、そうした歌手がミュージカルも演じたのでミュージカルファン以外もミュージカル観客動員できたが、現在の役者は時代劇・現代劇・ミュージカル、歌手も演歌・ポップスとジャンル分けされたので、地方都市で観劇人口が少ないとジャンルのファンしか集客できず地方劇場では集客に苦戦している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「商業演劇」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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