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オペレッタ(伊:Operetta 独:Operette)は、台詞と踊りのあるオーケストラ付きの歌劇。日本では、喜歌劇(きかげき)・軽歌劇(けいかげき)とも呼ばれる。 == 概要 == オペレッタはイタリア語で字義通りには「小さいオペラ」を意味するが、編成や演奏時間は決して小さく短くは無く2時間前後が平均的である。ただし、イタリアではこの名称の形式はほとんど発展せず、今日上演されるのは大部分がドイツ語作品、次いでフランスものである。モーツァルトが自作の喜劇的作品をオペレッタと称した書簡なども残っているが、これには特別ジャンルとして区別する意図は見られず、今日では一般的に、はっきりサブジャンルとして確立された以降のオッフェンバック、スッペ、ヨハン・シュトラウスの系統に属する作品を「オペレッタ」と呼ぶ。 基本的には喜劇であり、軽妙な筋と歌をもつ娯楽的な作品が多い。ハッピーエンドで終わるのが主流。ただし、一部に喜劇的に推移しながらもカタストロフ・エンドとなるもの、笑いの要素がほとんどないものもある。このため、日本語の「喜歌劇」という訳語は不適切であるという見解もある。 原則としてオペラ系の声楽家、合唱団、オーケストラによって上演されるが、セリフのみの役だけでなく、一部の役を俳優やポピュラーシンガーによって地声で歌わせることもある。ドイツ圏のオペラ歌手や指揮者〔フルトヴェングラーは「メリー・ウイドー」、クレンペラーは「天国と地獄」、カルロス・クライバーは「ガスパローネ」がデビューである。〕の多くは地方歌劇場のオペレッタからキャリアをスタートするが、その後もオペラはあまり歌わずオペレッタ専門に近い歌手も少なくない。 一般に、とりわけ日本人の評論家によって、正統派のオペラ歌手は駆け出し時代は別としてオペレッタを歌わないと書かれることがしばしばあるが、名声を確立したのちもオペレッタのライブや録音・録画を複数残している大歌手としては、エリーザベト・シュヴァルツコップ、ルネ・コロ、アンネリーゼ・ローテンベルガー、エーリッヒ・クンツ、ルドルフ・ショック、ニコライ・ゲッダ、、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ、フェリシティ・ロット、ヘルマン・プライ、クルト・ベーメ、レジーヌ・クレスパン、ジークフリート・イェルザレム、キリ・テ・カナワ、エディタ・グルベローヴァ、ルチア・ポップ、ヒルデ・ギューデン、バーバラ・ボニー、アンナ・モッフォ、テレサ・ストラータスなどがいる。特にドイツオペラ歌手については大部分のスターがここに含まれており、強いていえば重い声質を要求されるヴァーグナー系の女声がクレスパンぐらいしか見られないが、それとても、ギネス・ジョーンズ、ヒルデガルト・ベーレンスらがキャリア後期に「メリー・ウィドー」に主演している。 また、同様に、オペラとオペレッタは上演される劇場が画然と分かれていると書かれていることもあるが、これも誤りであり、後述するように、少なくとも本場のドイツ圏にはオペレッタ専門劇場は存在しない。存在するのは、オペレッタをあまり上演しないオペラハウス(主に旧宮廷歌劇場)と、比較的多く上演するオペラハウスだけである。 指揮者については歌手に比べると若干事情を異にし、「こうもり」「ジプシー男爵」を除くと世界的巨匠といわれるクラスの指揮者がオペレッタを手がけることは少なかった。しかし、1970年代にカラヤンが「メリー・ウィドー」をレコーディングしたあたりから徐々に状況が変化、今日ではニコラウス・アーノンクール、マルク・ミンコフスキ、フランツ・ウェルザー=メスト、クリスティアン・ティーレマンといった当代を代表する指揮者がオペレッタを重要なレパートリーとしている。 なお、ブロードウェイ・ミュージカルの中で、オペラ形式で上演されるものも、オペレッタと呼ぶ。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「オペレッタ」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Operetta 」があります。 スポンサード リンク
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