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営団9000系電車(えいだん9000けいでんしゃ)は、帝都高速度交通営団(営団)の通勤形電車である。2004年(平成16年)4月の営団民営化にともない、東京地下鉄(東京メトロ)に継承された。南北線用の車両である。 1991年(平成3年)11月29日の南北線の部分開業に併せて4両編成で登場した。同線のラインカラーであるエメラルドの帯が入っている。 形式称号は01系など、「0シリーズ」形式の登場以後ながら「09系」というような形式称号になっていない。 == 概要 == 本系列は21世紀を指向し、先進技術の導入、地域との調和、人に対するやさしさをコンセプトに製造された。 車体は東西線用の05系とほぼ同じ構造〔鉄道図書刊行会「鉄道ピクトリアル」1991年6月号「営団地下鉄9000系試作車」55-57頁記事。〕 のアルミニウム合金製20m車体であり、側面に客用ドアが4か所ある。車体材料にはアルミニウムの中空や大形の押出形材を使用し、これらを連続溶接工法で組み立てている。前頭部は流線型に近く、フロントガラスは側面にもまわり込ませた曲面ガラスを使用し、運転士の視野を確保している〔。前面にはプラグドアによる非常用貫通扉を配し、非常脱出用の梯子も設置してある。6両編成を組成し、電動車(M)と付随車(T)の構成(MT比)は4M2T(5次車は3M3T、8両化時は4M4T)である。 南北線は急曲線や急勾配が多く〔帝都高速度交通営団「東京地下鉄道南北線建設史」827頁記事。〕 、従来のチョッパ制御ではそれに対応する直流電動機の出力などにも限界があり、より出力の大きい三相誘導電動機が使用できるVVVFインバータ制御を営団で初めて本格的に採用した〔。初期の車両ではGTOサイリスタ素子を用いた方式を採用していたが、2次車以降ではIGBT素子に変更された。三相誘導電動機の採用で保守軽減が図られたことから営団地下鉄では初めて車内床面の主電動機点検蓋(トラップドア)は省略された。 File:Tokyometro9000car.jpg|4次車の車椅子スペース(右側) File:TokyoMetro9000-LED.jpg|1 - 4次車のドア上部に設置されているLED式案内表示器 保安装置には1段ブレーキ制御機能を持つ新形の多段式CS-ATCを採用した〔この方式は1991年(平成3年)3月に東急田園都市線で採用したばかりである。〕。これにより細かい速度制御、乗り心地の向上が可能となっている。さらに安全性や停止精度を高めるために人工知能(AI)を組み込んだATOを採用し、これにより出発ボタンを押すだけで加速から駅停車まで自動運転が行われる。ATO運転時には力行・減速操作ともに31段の多段制御を採用、また定速運転機能を採用することで乗り心地を向上させている。 File:TokyoMetro9000-ATCATO.jpg|9811号車のATC装置と一体化されたATO装置 File:Tokyometro-door-control.jpg|両先頭車に搭載する戸閉制御切換装置 ATO運転時における安定した回生ブレーキが確保〔ATO運転時に回生ブレーキが使用できない場合(回生失効)は空気ブレーキに切り替わり、定位置停止の精度が落ちてしまう。〕できるように変電所3か所に「電力回生用インバータ」を設置している。これは列車の回生ブレーキが他の列車で吸収されない場合には回生ブレーキで発生する電力を変電所のインバータで吸収・変換して駅の照明やエスカレータの電源として使用する。 南北線では列車無線装置に在来方式の誘導無線(IR)方式に代え、漏洩同軸ケーブル(LCX)を使用した より電波品質の良い空間波無線(SR)を営団で初めて採用した。さらに、これまでの非常発報機能に加え、緊急時に列車防護が行える防護発報機能を搭載させた。また、運転指令所より列車無線を通じて運行中の全列車への車内に一斉放送ができる機能がある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「営団9000系電車」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Tokyo Metro 9000 series 」があります。 スポンサード リンク
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