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嗜癖 : ウィキペディア日本語版
嗜癖[しへき]
嗜癖(しへき、)とは、ある特定の物質や行動、人間関係を特に好む性向である。
薬物嗜癖(Drug Addiction)の用語は、異なる概念である薬物依存症薬物乱用の定義との誤用があるため世界保健機関の専門用語から除外された。薬物に対する嗜癖の用語は、一般的には広く用いられている。日本の法律的な文脈では中毒という邦訳もあるが、医学的に薬物中毒とは、嗜癖ではなく過剰摂取などによって有害作用が生じている状態である〔。さらなる詳細は、以下の定義節を参照のこと。
==薬物関連のこの用語の定義と歴史==
トランキライザーなどの乱用が問題となった1950年代には、世界保健機関の''Addiction-Producing Drugs''に関する専門委員会が、以下のように定義した。
*''Addiction-producing'':非常に強い渇望があり、用量は増える傾向にあり、精神依存と身体依存とがある。
*Habit-formaing:用量は増えないか微増であり、身体依存が欠如しており、禁断症状がない。
当時の日本では、この''Addiction-Producing Drugs''が、耽溺性薬物などと翻訳されている。薬物嗜癖(drug addiction)、薬物習慣性(drug habituation)としている重要語事典もある。日本では睡眠薬の乱用が問題となったため、1961年に習慣性医薬品を指定し、処方箋を必要とする措置をとった。
1960年代に嗜癖(Addiction)と習慣(Habit)の2つの用語は破棄され、依存(Dependence)の用語に変わった〔 (HTML版 introductionが省略されている )〕。世界保健機関の専門委員会は、薬物依存に関する専門委員会(WHO Expert Committee on Drug Dependence)と変名される。
1975年時点で、日本の医薬品には「習慣性あり」の表示が残されているが、アメリカではそうした表示は過去のことであり、ここ10年で国内外で習慣性という語は見られなくなったとしている。また、依存の語は広く普及し、嗜癖の語はいまだ散見されるとしている。
アメリカ精神医学会(APA)による『精神障害の診断と統計マニュアル第4版』(DSM-IV)では、身体依存や使用量増加の診断基準は薬物依存症(Drug Dependence)の診断基準に含まれる。
しかし2011年の『グッドマン・ギルマン薬理書』第12版においては、1987年にアメリカ精神医学会が、使用を制御できない状態に対し依存(dependence)の語を使ったが、依存とは本来は離脱症状を呈する状態であり混乱が生じたとしている〔、Goodman & Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics, 12e, 2011〕。当時は嗜癖(addiction)の語が軽蔑語であったので避けるべきであったが、次のDSM-5ではこの混乱が正されるであろうと記している〔。
DSM-5では、物質関連障害および嗜癖性障害群(Substance Related and Addictive Disorders)の分類名が登場した。DSM-5においては薬物乱用と薬物依存症を統合したが、DSM-IVの編集委員長であるアレン・フランセスはこれを批判しており、嗜癖(addicion)の語による常用者のようなレッテルは、より単発的な乱用によって問題が生じた人々にとっては不利益を被りかねないスティグマ(烙印)であり、臨床においても乱用と依存の区別は対応の上で有益であるとして、これを区別している世界保健機関によるICDの診断コードを用いるべきだとしている〔、''Essentials of Psychiatric Diagnosis, Revised Edition: Responding to the Challenge of DSM-5®'', The Guilford Press, 2013.〕。
アメリカにおける薬物関連障害の報告などでは、薬物依存と薬物乱用の両方を含める形で、薬物嗜癖(''Drug Addiction'')の用語を使用すると定義している。
どのような意図で用いられているか文脈によって判断することが必要である。
国際条約である1961年の麻薬に関する単一条約の邦訳文で、addctionを''中毒''と訳している〔麻薬に関する単一条約 英日対訳文 1 約2 約3 )(外務省)〕。日本の麻薬及び向精神薬取締法でも依存を生じた状態を中毒としているが、この日本の法律上の訳は「医学的な中毒の意味と異なり」、医学的に薬物中毒とは、過剰摂取などによって有害作用が生じている状態である。1975年時点で、柳田知司は依存症の意味での中毒の語は破棄して、依存症の語の使用を提案している。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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