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『四畳半襖の下張』(よじょうはん ふすまのしたばり)は、永井荷風作の小説、及び伝永井荷風作の春本である。 #荷風作『四畳半襖の下張』荷風が雑誌『文明』(大正6年)に発表した短編小説。古人「金阜山人」の手記を作者が紹介するという形式を取り、戯作に志す主人公がさまざまな経験を経て最後には置屋の主人となるという筋。『荷風全集 第12巻』(岩波書店、1992年)所収。 #伝荷風作・春本版『四畳半襖の下張』冒頭に「金阜山人戯作」とあり、長らく永井荷風作として伝えられ、後述のようにそれを認める説が現在でも有力である。終戦前後から一部で知られるようになり、春本における傑作の一つとされてきた。1972年、雑誌『面白半分』に掲載されて摘発を受け、その後の「四畳半襖の下張事件」裁判において特に有名になった。 == 春本版の概要 == 作者「金阜山人」がたまたま買った古家の四畳半で、襖の下張から古人の手になる春本を見つけ、それを浄書して読者に紹介するという説明が導入部にある。(関東大震災の翌年に記した旨の記述がある。) 「はじめの方は、ちぎれてなし」という説明ののちにはじまる「古人作の春本」は、老人もしくは中年者と思しき人物の回顧ふうな文章が冒頭に置かれており、性的体験の遍歴や年齢とともに変ってゆく女性観・性意識などが述べられた後、「おのれ女房のお袖」が芸者であった時分の交渉が物語られる。性行為の描写が終わると、お袖との結婚後の模様が作者の女遊びなどを交えて簡潔に記され、話は唐突に終る。 いわゆる「入れ子細工」の構造は、荷風作の短編小説にしばしば見られる特徴である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「四畳半襖の下張」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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