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固定価格買い取り制 : ウィキペディア日本語版
固定価格買い取り制度[こていかかくかいとりせいど]
固定価格買い取り制度(こていかかくかいとりせいど、Feed-in Tariff, FiT, Feed-in Law, FiL)とは、エネルギーの買い取り価格(タリフ)を法律で定める方式の助成制度である。固定価格制度フィードインタリフ制度、電力買い取り補償制〔などとも呼ばれる。地球温暖化への対策やエネルギー源の確保、環境汚染への対処などの一環として、主に再生可能エネルギー(もしくは、日本における新エネルギー)の普及拡大と価格低減の目的で用いられる。設備導入時に一定期間の助成水準が法的に保証されるほか、生産コストの変化や技術の発達段階に応じて助成水準を柔軟に調節できる制度である。適切に運用することにより、費用当たりの普及促進効果が最も高くなるとされる。世界50カ国以上で用いられ〔REN21, Renewables 2010 Global Status Report, 2010年7月 〕、再生可能エネルギーの助成政策としては一般的な手法となっている〔A Policymaker’s Guide to Feed-in Tariff Policy Design, 米国国立再生可能エネルギー研究所(NREL)、2010年7月 〕。その一方、価格の設定次第で普及速度が過小もしくは過大になる危険性がある。
== 歴史 ==
固定価格買い取り制度は1978年、米国において導入されたPublic Utility Regulatory Policies Act(PURPA)法がその走りとされる。PURPA法は特にカリフォルニア州などにおける風力発電の立ち上げに貢献した〔Feed-In Tariffs: Accelerating the Deployment of Renewable Energy, Miguel Mendonca, World Future Council, ISBN 978-1-84407-466-2〕。しかし現在のように国家レベルで顕著な効果を挙げられる制度は1990年にドイツが採用したのが最初とされる。再生可能エネルギーの普及促進政策としては他にも固定枠(クォータ)制や入札制などもあり、既存市場との整合性や安さを根拠として固定価格買い取り制度以外の方式を採る国も多かった。しかし固定枠制や入札制では、その主張に反して、いずれもその効果は固定価格買い取り制度に劣るものとなった〔〔地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案 、飯田哲也、2008年4月、P.13〕。その一方でドイツは固定価格買い取り制度によって再生可能エネルギーを大量に普及させると同時に生産コストを下げ、電力総需要に対するシェアを2000年の6.3%から2007年末には14%(見込み)に倍増させる〔Renewable energies even stronger than expected (ドイツ環境省)〕など、他の方式より大幅に勝る成果を挙げてみせた。この結果を踏まえ、現在では多くの学術的報告や公的機関がその優位性を認めている(#評価を参照)。採用数は特に2005年以降に急増し、2009年時点では少なくとも50以上の国々と25以上の州・地域で採用されている〔。現在では再生可能エネルギーの普及政策として、最も一般的な手法となっている〔。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「固定価格買い取り制度」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Feed-in tariff 」があります。



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