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固定小数点型 : ウィキペディア日本語版
固定小数点数[こていしょうすうてんすう]
固定小数点数(こていしょうすうてんすう)は、小数点が置かれる桁を固定して表されたのことである。ある桁数のうちのある場所に小数点が固定されているものとして扱う方式であるため、表現される仮数部に対して小数点の位置が移動する浮動小数点数の対義語として用いられる。コンピュータの数値表現のひとつである。
「固定-小数点数」ではなく「固定小数点-数」である。
== 特徴 ==
浮動小数点数に比べて表現できる値の範囲ははるかに狭いが、情報落ちが起こらない(そもそも情報落ちが起きるような差のある値は表現できない)ことや高速に演算できることが利点に挙げられる。コンピュータグラフィックスで用いられる座標や画素値はある程度値域が限られるため、固定小数点数でも表現することができ浮動小数点数にくらべ高速に計算できるようになる。また、コンパイラなどにおいて、変数を定数で除算するような場合、普通に除算するよりも、除数の逆数を固定小数点の要領で表現したものを乗じてシフトして答えを求めた方が高速であることがあるため、そのような最適化をおこなうことがある(『ハッカーのたのしみ』10章)。
なお、信号処理を実行するためのデバイスであるデジタルシグナルプロセッサでは、処理対象である信号の振幅の値の範囲が固定小数点的であるので、コストの高い浮動小数点演算のハードウェアを搭載せず、固定小数点数が主に用いられる。現代のパソコンにおいては、演算を行うCPUにFPUが付属するものが主流であるため、小数の計算は一般に浮動小数点数を用いるものがほとんどだが、対象とするデータの特性や特に高速化が必要なコーデックなどでは固定小数点を用いることもある。
また、10進法での小数は2進法の小数として表現すると必ずしも有限小数とはならず、丸めにより誤差を生じる場合がある。そのため、貨幣に関する計算のような、小数点以下で必要な桁数は決まっているが、2進法での丸め誤差を回避したい場合に、小数点以下の桁数をビット単位ではなく10進法の桁数で決めた固定小数点数も処理に用いられる〔通貨型 PostgreSQL 9.2.4文書(2014年2月3日閲覧)。〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「固定小数点数」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Fixed-point arithmetic 」があります。



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