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判決 (国際司法裁判所)[はんけつ]
本項目では国際司法裁判所の判決について述べる。国際司法裁判所(ICJ)の係争事件では基本的に国家のみが当事者となることができるが、国連総会や国連安保理などといった国連機関による諮問に対してICJが下す意見のことを勧告的意見といい、国家間の裁判における係争事件の判決とは区別される〔小寺(2006)、429-430頁。〕。ICJ規程第59条によりICJの判決は紛争当事国に対してだけ法的拘束力がおよぶことと定められており〔「国際司法裁判所」、『国際法辞典』、104-105頁。〕、これにより判例としての先例拘束性は否定されている〔杉原(2008)、428-429頁。〕。しかし実際には裁判で多くの過去の裁判例が引用されており〔、実質的に判例法としての役割を果たしている〔。 == 概要 == ICJ規程第55条により、ICJの判決は出席する裁判官の過半数によって決せられ、賛否同数の場合には裁判長の決定投票による〔小寺(2006)、428-429頁。〕。判決には理由が示されなければならないとされる(ICJ規程第56条)〔。国連憲章第94条第1項において国際司法裁判所(ICJ)の判決は紛争当事国に対して法的拘束力をもつと定められるが、ICJ規程第59条では、判決の法的拘束力は紛争当事国の間で当該事件に関してのみ及ぶものと定められているため、規程の上ではICJの判決に先例拘束性は認められていない〔。しかしICJが先例と類似する状況で先例と異なる判断をする場合、過去の事案との違いや当該紛争の特殊性などを指摘し先例を退けるという手法をとっているのに対し、先例と同じ判断をする場合には特段の説明もなく先例に従うことが通例となっているため、実際には規程第59条の定めにもかかわらず先例は後の判決に強い拘束性を持っている〔小寺(2006)、54-56頁。〕。これは法の確実性の確保のためには判例の継続性維持が必要であるためといえる〔。また、ICJの判決では他の国際裁判所の判例や国内判例が判決の判断や推論を基礎づける根拠として用いられることもある〔。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「判決 (国際司法裁判所)」の詳細全文を読む
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