|
土佐 尚子(とさ なおこ、1961年10月22日 - )は、日本のアーティスト,研究者である。MIT Center for Advanced Visual Studiesでのフェローアーティストを経て、京都大学学術情報メディアセンター教授、シンガポール国立大学客員教授。学位は博士(工学)(東京大学)。 ==人物== 土佐尚子は、アーティストとして創造活動に携わってきたが、同時に芸術と技術に代表される他領域との境界領域の創出にも大きな興味を持ち活動に携わっている。また芸術と技術の境界領域、より広くいうと文系と理系の境界領域の人材の教育活動にも携わっている。 まず20代(1980年代)に技術を使った当時の最先端のアートであるビデオアートの分野のアーティストとして美術界にデビューしている。当時の作品は、ニューヨーク近代美術館、メトロポリタン美術館での招待展示をはじめ、国内では国立国際美術館、O美術館(東京)、富山県立近代美術館、名古屋県立美術館、高松市立美術館などで収蔵されている。並行してこの分野の人材育成のために、武蔵野美術大学映像学科での講師と東京芸術大学デザイン学部の特別講師を勤めている。 30代には、上記の境界領域の研究の延長として、芸術とコンピュータの融合領域に興味を持ち工学を本格的に学んでいる。具体的には感情や感性という無形のものをコンピュータによって可視化する方法論を国際基礎通信技術研究所(ATR)で研究し、同時にその分野の学生の教育に興味を持つ神戸大学自然科学研究科で教育に携わった。研究成果はACM SIGGRAPH, ARS ELECTRONICAなどの代表的な芸術と技術の国際会議で展示すると共に、マルチメディア、人工知能、バーチャルリアリティの学会にて論文として発表を行っている。その結果は、マルチメディア国際会議での最優秀論文賞(1996年)、芸術と科学を融合した研究に贈られるロレアル大賞受賞(1997年)、アルスエレクトロニカインタラクティブアート部門受賞(2000年)などに結実している。 40代は、アート&サイエンスの分野で優れた研究者を生み出したMIT Center for Advanced Visual Studiesのスティーブン・ベントン所長(レインボウホログラフィ発明者)に日本人として初めて招聘され2年間滞在している。ボストン滞在中に日本人としての自覚と日本文化に目覚め、芸術からさらに文化へと関心を広げている。海外において特殊で理解困難と考えられている禅などに代表される日本文化をインタラクティブアート作品の形で海外の人々に体験してもらう山水禅システムを創作し、ユネスコ主催デジタル文化遺産コンペ2位受賞、MIT博物館、禅寺高台寺、京都大学博物館での展示などの成果につなげている。同時にこの考え方を一般化し、文化を枠組みとコンテンツに分離してコンピュータ上に載せる「カルチュラルコンピューティング」という方法論を提唱し、NTT出版より「カルチュラルコンピューティング」という一般書を2009年に出版している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「土佐尚子」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|