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土地倫理 : ウィキペディア日本語版
自然の権利[しぜんのけんり]

自然の権利(しぜんのけんり, ''Rights of Nature'' )とは、自然保護を目的とした活動を法廷を舞台として行うための考え方のひとつ。「自然の価値を直接的に承認し、自然物に法的主体としての地位を承認する試み」として提唱されている概念である〔『報告 日本における[自然の権利]運動』山田隆夫による定義。〕。人間中心主義からの脱却が理論的背景にあり、生命・自然中心主義への発想転換にともなって論じられているとする〔山村(1997年)、41頁。〕。
象徴的に原告名として自然物(動物・植物・土地)などが連ねられることが多いことから、一般的には「自然の権利訴訟=人間以外の自然物を原告とする訴訟」という理解が強い。ただし、自然物を原告名として連ねることが、自然の権利概念を援用した訴訟として認められるための必須の要件とはされていない〔『報告 日本における[自然の権利]運動』籠橋隆明。籠橋は、日本で最初に自然保護を目的として自然物を原告名に記載した『アマミノクロウサギ訴訟』弁護団のとりまとめ役などをつとめた弁護士。〕。
自然の権利という概念は、それらの原告を擬人化し人間と同等の権利があると主張するものではない。法廷闘争のための技術論(主として原告適格の拡大を目指す技術論)や、環境倫理などに基づいた自然保護のための法制論という要素が強い〔『報告 日本における[自然の権利]運動』籠橋隆明/山田隆夫/淡路剛久。〕。もっとも、近代的な自然の権利概念の最初の提唱者であるクリストファー・ストーン(後述)の理論については、「環境をかつてない範囲まで擬人化した」ものとの評もある〔ナッシュ(1993年)、256-261頁。〕。
「自然の権利」概念は、名前は似ているが「自然権」とは異なった概念である。また、自然物を法的主体として承認すると言っても、「動物の権利」(アニマルライト Animal rights)とは異なった性格を持つとされる。環境権自然享有権といった概念とも区別されている。(''後述の#類似概念との差異参照'' )
※本文中の原語表記部のリンクは英語版へのリンク。
==歴史==
自然の権利という考え方が確立されるまでには、いくつかのエポックメイキングな出来事があった。その中から主要なものをピックアップする〔アメリカ環境判例の流れ(関根孝道) 。〕〔『報告 日本における[自然の権利]運動』籠橋隆明〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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