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土管(どかん)とは、粘土を焼いて作った円管のこと〔広辞苑〕。 == 概説 == 土管というのは、粘土を焼いてつくった円管のことである。つまり陶製のパイプである。 排水路や煙突 等々に用いる〔広辞苑〕。 管同士を接続するため、ソケット、継手としての役割を持たせるように管の一方が膨らんだ独特の形状をしている。素焼き状のものもある一方で、釉薬で仕上げてあってツヤがあるタイプもある。 粘土を成形し、乾燥後、窯で焼成する。 管径は様々で、6 cmほどのものからある。 管の色は主に赤茶色(褐色)で黄色味のある物から焦げ茶色の物がある。 古くは日本では明治時代から下水管用として重用され、一部は昭和50年代頃まで中堅規模の雑排水の下水管を中心としてに多く埋設された。特に水洗便所において当時主流であった和式大便器に接続される排水管として住宅から商業施設や工場、あるいは学校などの水洗便器に接続する排水管として塩化ビニル管(VU管)や強化プラスチック管(FRPM管)、ポリエチレン管(PE管)が普及する昭和40年代後半頃まで多岐に使用され、当時の和式水洗便器の接続方法としては土管の一方の膨らんだ部位であるソケット部に和式便器の排水部位を直接差し込んで接合され、その接合部はモルタルやパテで固められ施設され、特に家庭用和式水洗便器排水管路では、PVC管が普及するまで大部分を占めていた。 現在では、素焼土管が農地、宅地、グラウンドなどの過剰な地下水を排除するための暗渠排水用の吸水管として利用されているほか、古い施設では現在でも和式水洗便器の排水管や雑排水管として多く使用され続けている。 陶器の一種であるため、強度、耐食性、耐薬品性に優れ、機能寿命が長い。また自然素材(天然の粘土を成形し、乾燥後、窯で焼成、地球の地殻組成とほぼ同じ)で出来ているため、環境汚染を起こさず、環境への負荷が少ない。環境微生物との親和性すなわち環境適応性に優れているため、河川や地下水浄化などへも応用されている。 ;産地 明治時代、愛知県の常滑市で鯉江方寿がイギリス式真焼土管の製造法を完成させ、常滑の土管生産量は全国の過半数を超え、昭和時代までさかんに製造された。同地では現在も造られている。 北海道では江別市(粘土が豊富で、れんが製造等で北海道遺産になっている場所)での製造がさかんである。 ;コンクリート製と難点 (昭和時代あたりからであろうか?)コンクリート製の土管が作られることが増えていった。コンクリート製は粘土製とは製造方法が異なり、型の中にコンクリートを流し込み、固まるのを待つ。大きさは様々で、大きいものではトラックが通れるほどの大きさのものもある。 主に下水道管など地中埋設用に用いられる。 下水道内には硫黄を含んだ化合物が流れているため、下水中で硫酸塩還元細菌により硫化水素が発生し、さらには水中から硫化水素が出ると、今度は硫黄酸化細菌により硫酸が発生するために、コンクリート製の土管が腐食するという問題も起きている〔日本下水道事業団 『硫酸塩還元細菌&硫黄酸化細菌』 等〕。 また、酸性の廃液が流れてもコンクリート製の土管の腐食は起こる。道路の下に埋設されている下水管が腐食し、崩れて道路が陥没する事故も起こっている。 ;他 近年では施工のしやすさを考慮して、小径のものは硬質塩化ビニル管で代用する場合も多く、その場合、敷設後には周囲にコンクリートを流し込んで補強することも多い。 『土管』という名称の作品〔佃典彦 『土管』 1998年8月30日発行〕も存在する。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「土管」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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