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語り手(かたりて)とは、ある物語を語る、物語内の存在(人物等)である。また、小説で言うところの「地の文」の語り手である。ナレーター(Narrator)、語り部(かたりべ)とも称する。映画・ドラマ・演劇・小説など、あらゆる種類のストーリーテリングにおいて、作者・読者と並び重要な存在である。 作者は現実世界に生きており、フィクション(虚構)の創作を通じて物語内に現実とは別の世界や人物、事件を生み出す役割を果たす。読者も現実世界に生きており、フィクションの読解を通じて物語を理解する役割を果たす。これに対し、語り手は物語の世界におり現実世界に肉体を持たず、作者によって創造された存在であり、読者が理解しやすいように物語を説明する役目を果たす。 物語がノンフィクションである場合、語り手と作者は同一人物である場合が多く、物語内の世界と現実世界は一致するが、フィクションである場合は語り手は物語内にしかいない存在である。 == 語り手という概念 == 西洋において小説が勃興した19世紀、「語り手」という概念や、後に「信頼できない語り手(unreliable narrator)」と呼ばれることになる概念が重要なものとなった。1800年ごろまでは、詩(『イリアス』や『失楽園』のような叙事詩、ウィリアム・シェイクスピアの詩劇も含む)だけがアカデミックな文芸評論の対象だったが、詩においては作者と語り手が異ならないことが多かった。しかし小説を評論するにあたっては、その内部の虚構世界が問題となった。特に語り手の視点が作者の視点と異なる場合が問題とされるようになった。 物語は、明確で首尾一貫した語り手を持たなければならない。このため、作者による語り手の取り扱い方にはいくつかの決まりごとがある。 * 語り手は物語の中におり、読者や作者の世界にはいてはならない。 : 語り手と、読者や作者との間には、超えられない「第四の壁」がある。 * 語り手は明確な属性と明確な限界を持つ単一の存在でなければならない。 * 語り手は、物語内で出会っていない存在と意思疎通していてはならない。 :言葉を変えて言えば、語り手は物語世界内にある地点から物語を語らなければならない。この地点を、「視点(point of view)」という。 こうした決まりごとは、ポストモダン文学やそのさきがけとなる文学ではしばしば破られることがある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「語り手」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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