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地下鉄名城線 : ウィキペディア日本語版
名古屋市営地下鉄名城線[めいじょうせん]


名城線(めいじょうせん)は、愛知県名古屋市東区大曽根駅から、同市中区栄駅金山駅、同市千種区名古屋大学駅を経て、大曽根駅までを環状に結ぶ、名古屋市営地下鉄の路線の愛称名古屋市高速度鉄道第2号線の一部(大曽根 - 栄 - 金山)と、同4号線(大曽根 - 名古屋大学 - 金山)から構成される。ラインカラー藤色 )で、名城線で使用されていた1000形のウインザーイエローの車体に補色である紫色の線が巻かれていたことに由来する。
なお、路線としては上記の通り大曽根駅から左回り基準であるが、列車番号はナゴヤドーム前矢田駅から両回り同等、駅番号は金山駅から右回り基準で付されている。
すべての駅でmanaca(2011年2月11日に導入)などの交通系ICカード全国相互利用サービス対応カードが使用できる。
== 概要 ==
2004年10月6日に4号線名古屋大学駅から八事駅を経て新瑞橋駅までが開業、大曽根 - 名古屋大学 - 金山間が全通し、2号線大曽根 - 栄 - 金山間とあわせて名古屋市営地下鉄初の環状線が完成、日本初の地下鉄環状運転が開始された〔。環状線の完成に伴い、環状部の愛称を「名城線」、枝線となる2号線金山 - 名古屋港間の愛称を「名港線」とした〔。日本の環状地下鉄としては東京の都営地下鉄大江戸線に次ぐものであるが、大江戸線の環状部は都庁前駅スイッチバック形の配線となっているため〔大江戸線も環状運転を検討していたが、実現するには新宿駅または新宿西口駅のホームを2面化するとともに新たに両区間のトンネルを掘削しなければならなかった。しかし、両駅地上部の道路幅が狭くビルが密集し、費用の膨大と建設期間の長期化が予想されること、さらに新宿駅前後の環状方向の旅客流動が少ないと見込まれ、費用対効果を検証した結果、このような配線となった。〕、環状運転を行う地下鉄としては名城線が日本で初である。全長は26.4kmで、JR西日本の大阪環状線 (21.7km) より長く、大江戸線の環状部 (27.8km)、JR東日本の山手線 (34.5km) より短い。環状運転の実施以前は大曽根 - 金山 - 名古屋港を「名城線」と呼び、それ以外の区間を「4号線」と表記していた。
ちなみに地下鉄の環状運転は日本初であると同時にロンドン地下鉄サークル線〔名城線同様放射線の乗り入れがある。〕、グラスゴー地下鉄モスクワ地下鉄環状線マドリード地下鉄6号線、ソウルメトロ2号線〔放射線を有するが、環状線と放射線の間での直通運転はない。〕、北京地下鉄2号線に次いで7番目で、一周の距離では北京地下鉄10号線とソウルメトロ2号線に次いで世界第3位の長さである。
環状運転により、名古屋市東部および南部に延びる他の路線のバイパスとなったことで、東山線藤が丘方面から鶴舞線赤池・豊田市方面、ならびに桜通線野並・徳重方面への乗車時間が大幅に短縮され、ナゴヤドーム瑞穂運動場へのアクセス利便性も向上している。
1965年に開業した最古の区間である栄 - 市役所間〔新修名古屋市史編集委員会 『新修名古屋市史 第7巻』 名古屋市、1998年3月31日。〕に対し、最新の区間である名古屋大学 - 新瑞橋間は2004年の開業であり開業年にはおよそ40年もの差がある。この区間は一部が民有地の下を通っているため、地権者から建設差し止め〔「日経コンストラクション」1999年11月12日号pp.78 - 79。〕、土地収用の事業認定・収用裁決取り消しの裁判〔平成14(行コ)20 事業認定処分取消,土地収用裁決取消請求控訴 〕を起こされたりしたことから、開業が遅れた。新瑞橋 - 金山 - 栄 - 大曽根間にある駅は全体的に古い雰囲気があり、ナゴヤドーム前矢田 - 本山 - 瑞穂運動場東間にある駅は2000年代に開業したこともあり全体的に雰囲気は新しい。
名古屋市営地下鉄の中では名港線・桜通線・東山線とともに、路線が名古屋市内に収まっており、営業運転で車両が名古屋市外に出ない路線である〔桜通線の車両は大規模な車両検査の際、連絡線を介して鶴舞線に乗り入れ、日進市日進工場へ入線する。東山線は藤が丘工場の敷地の一部が名古屋市外の長久手市にかかる。〕。
2005年10月6日より、従来の接近チャイムに代わって試験的に接近メロディ名港線とともに全駅において導入された。東日本旅客鉄道(JR東日本)の首都圏の駅で使われている櫻井音楽工房発車メロディが使われていた(曲名は、名城線左回りが「すすきの高原」、右回りが「あざみ野」、名港線名古屋港方面が「twilight」、金山方面が「光と風と」)が、2007年3月19日からはオリジナルの物に変更されている。現在使用している接近メロディは名城線の左回りが「ランディング」、右回りが「サークル・ポイント」、名港線の名古屋港方面が「ハッピータイム」、金山方面が「海」という曲である。
金山駅・八事駅・本山駅・栄駅を除く各駅のホーム番号は左回りが1番ホーム、右回りが2番ホームである。
名城線を金山から右回りの順に見ていくと、金山 - 東別院間は大津通より西側を通る。東別院からは大津通の東側に変わり、東別院 - 矢場町間は前津通の下を、矢場町 - 市役所付近は久屋大通の下を通る。市役所付近で大津通の下を通り、そのまま北へ向かう。黒川に付く手前で進路を東寄りに変え、名古屋市道名古屋環状線の下を通る。大曽根駅を過ぎると名古屋ガイドウェイバスと平行になりナゴヤドームの横を通る。砂田橋を過ぎると進路をやや南寄りに変え、丘陵住宅地の下を通る。本山 - 瑞穂運動場東間は山手グリーンロードの下を通る。この辺りは掘割構造の名古屋高速が通っていたり、地形の起伏が激しく、名古屋市でもかなり深い位置にホームがあったりコンコースまでの道のりが長くなっている駅が多い。名古屋大学駅付近は名古屋大学のキャンパス内の地下を通っており、日本では全国的にも珍しい。新瑞橋から堀田を過ぎるまでは西寄りに進路を取り、愛知県道221号岩崎名古屋線の下を通る。堀田 - 伝馬町間は国道1号の下を通る。伝馬町を過ぎると進路を北寄りに変え、伏見通国道19号国道22号の重複区間)の下を通り、金山に戻る。電車はそのまま栄・大曽根方面に向かう。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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