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地誌学(ちしがく)はある特定された地域内における地理学的事象を自然・人文両方の見地から研究する学問である。地誌学の研究対象は当該地域の政治、経済、産業、法制度、社会、文化、民俗、地形、水文、気候等広範な分野に及ぶ。地誌学のうち特に地域の地形、水文、気候等自然を研究対象としたものを地域地理学と呼び、地球科学の一分野と位置づけられる。 == 地誌学と地域研究の相違点 == 地誌学は一見地域研究と似ているが、多くの相違点がある。 ; 地誌学は地理学の一分野であるが、地域研究は国際関係学の一分野である : 地誌学は系統地理学・地図学・地理学説史とともに地理学の一分野である。一方地域研究は国際関係論(国際政治学)とともに国際関係学を構成する学問である。 ; 地誌学は自然科学的な研究方法を用いるが、地域研究は自然科学的な方法を排除する : 地誌学は人文科学・社会科学・自然科学の研究方法を用いるが、地域研究は自然科学の研究方法は一切用いない。したがって地域の自然(地形・水文・気候等)は地誌学の研究対象となるが、地域研究では全く対象としない。また政治・経済・産業・法制度・社会・文化・民俗等について見るべきものがなく、地形・水文・気候等しか研究対象のない北極地方や南極地方は地域研究の対象とはならないが、地誌学の研究対象とはなりうる。なお地誌学の一分野である地域地理学は地域研究とは逆に人文科学・社会科学的な研究方法は用いず、自然科学的な研究方法のみ用いる。 ; 地誌学は世界と日本を対象とするが、地域研究は世界のみを対象とする : 地域研究が国際関係学の一分野であることを考えれば一目瞭然である。 ; 相違点の要約 : 地誌学から自然科学的な研究方法を取り除いたのが地域研究であり、人文科学・社会科学的な要素を取り除いたのが地域地理学であるといえる。だが地誌学・地域地理学が地理学の一分野なのに対し、地域研究が前述のように国際関係学の一分野であるという点が地誌学・地域地理学と地域研究の決定的な違いであるといえる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「地誌学」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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