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地震予測 : ウィキペディア日本語版
地震予知[じしんよち]
地震予知(じしんよち)とは、地震の発生を予め知ることである。「地震予知」という語は、広範にはいわゆる「予知」を含んで言うが、学術的には科学的方法により地震の時期・場所・規模の3要素を論理立てて「予測」することを指す〔「地震予知 」、Yahoo!百科事典(大辞泉)、2013年9月11日閲覧〕〔。ただし日本地震学会は、警報に繋がるような決定論的な予測のみを「地震予知」とし、それ以外の日常的に公表可能なもの(確率で表現されるもの)は「地震予測」とする新しい定義を2012年秋に発表し、推奨している〔〔〔。なお、震源における断層破壊の発生後に行われる緊急地震速報などの地震警報システムはこれらに含めない〔。
日本では、東海地震に限って24時間体制で行われているプレスリップの検出に基づく地震予知の体制が整備されているが、確実ではなく、予知できない可能性もあるとされている。また、東海地震以外の地震は、前兆現象の検出方法や予知情報が発表された時の行動が確立されておらず、予知は不可能と考えておくべきとされている〔日本地震学会、「FAQ 2-3. 地震予知の信頼性」「2-15. 東海地震以外の地震の予知の可能性」、2013年9月7日閲覧〕。
なお、決定論的な地震予知は「現時点では非常に困難」とされている〔〔〔。その一方で気象庁や東海地震の判定会〔地震防災対策強化地域判定会。専門家6名からなり、東海地震の前兆(プレスリップ)から発生の可能性の有無を判断し、気象庁長官に報告する(長官は内閣総理大臣に報告する)役割を担う。〕が東海地震は「予知できる可能性がある」としているのは、プレスリップがいわゆる「前兆」ではなく本震の発生たるプレート間の滑りの「早期検知」であるためとされているが、この考え方には批判があり、東海地震だけが可能とすべきではないという意見もある〔『地震予知と社会』溝上恵「地震予知と社会」内 33-46頁(§2.3-2.4)、島村英紀「地震予知の可能性・現実性」47-74(§3.1-3.4)〕。
== 「地震予知」の定義 ==

=== 従来の定義 ===
従来より地震予知の定義は、地震がいつどこでどれくらいの大きさで起こるか、つまり発生時期・発生場所・規模の3つの要素を地震が発生する前に予め示すこととされていた。しかし、地震予知研究が進んで多様化していく中で、長期的な発生確率なども「地震予知」と呼ぶ傾向が広がっていった。長期的な発生確率は警報のような緊急性を持たず、情報の活かし方が決定的に異なるため、「地震予知」で一括りにして議論をすると話がかみ合わないという問題が生じていた。そのため、予測期間により区分する場合があった〔日本地震学会、「FAQ 2-1. 地震予知とは」、2013年9月7日閲覧〕〔『地震予知と社会』、§2,3〕〔綾部、2004年〕。
予知の情報を入手したら応急的な被害回避の対応を取るようなもの、例えば「何日後に地震が起こる」「X月X日に地震が起こる」というように狭い範囲(概ね地震の数か月前以内)で日時を指定するものを「短期予知」、日本政府の地震調査研究推進本部が示す「30年以内にN%の確率で地震が起こる」のように長期的で、建築物の耐震化などの恒久的な対応に資するものを「長期予測」または「長期予知」とする区分が比較的よく使用されていたほか、短期予知のうち地震発生の2-3日前程度以内に予知を行うものを「直前予知」としてさらに区別することもあった〔〔〔〔。そのほかにも、別の基準から「長期予知」「中期予知」「短期予知」の3区分や「長期予知」「中期予知」「直前予知」の3区分とする例もあった〔長尾年恭「地震活動を予測する -地震研究最前線 2 長期・中期・短期予知とは 」、大地震に備える(仙台放送)、2013年9月11日閲覧〕〔『地震予知の科学』、§1〕〔「「地震予知の科学」ダイジェスト 「長期」「中期」「直前」と分類するとわかりやすい。 」、Making of 「地震予知の科学」(名古屋大学地震火山研究センター 山岡耕春のページ)、2013年9月11日閲覧〕。また、地震予知の中の長期予測に限って「地震予測」と呼び分ける例もあれば、「地震予知」と「地震予測」を同義で用いる例も珍しくなかった〔地震予知検討委員会「「地震予知の科学」に関するアンケート結果報告 その2 」、日本地震学会「日本地震学会ニュースレター」、25巻、1号、2013年5月〕。
このように、研究者や専門家の間でも用語は統一されておらず、混乱が見られた〔〔〔。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「地震予知」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Earthquake prediction 」があります。



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