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堕天使[だてんし] 堕天使(だてんし)は、主なる神の被造物でありながら、高慢や嫉妬がために神に反逆し、罰せられて天界を追放された天使、自由意志をもって堕落し、神から離反した天使である。 ==概要== キリスト教の教理では悪魔は堕落した天使であるとされる〔ビリー・グラハム 『天使』 いのちのことば社〕〔マーティン・ロイドジョンズ 『キリスト者の戦い』 いのちのことば社〕。 堕天使の概念はユダヤ・キリスト教の複雑な歴史を背景にもつ。キリスト教が旧約と呼ぶ「ヘブライ聖書」には本来、堕天使という概念は登場しない。天使の堕落の伝説の早期の例は、後期ユダヤ教諸派において成立した、後に偽典と呼ばれることになる文書のひとつ「エノク書」にあらわれる。このエノクの伝承は、ヘレニズム期のユダヤ教セクトであるクムラン教団を特徴づける「」の観念とともに原始キリスト教に影響を与え、これによって堕天使の概念はキリスト教の基礎の一部となったと考えられている〔マルコム・ゴドウィン 『天使の世界』大瀧啓裕 訳、青土社、2004年、112-113頁。 〕。 一般に堕天使の頭はサタンとされるが、外典・偽典などではマスティマ、ベリアル、ベルゼブブ、アザゼルなどと記されている場合がある〔グスタフ・デイヴィッドスン 『天使辞典』 吉永進一 監訳、創元社、2004年、174-175頁。〕。『新約聖書』にはサタンの堕落を示唆する記述がいくつかあり、特に「ヨハネ黙示録」第12章ではサタンが(天使戦争)に敗れて追放された物語が示されている。 聖書には多様な解釈を容れる余地があり、後世のキリスト教文学や神学において、サタンと仲間の堕天使たちをめぐるさまざまな物語や理論がつむがれている。いったい何をもってサタンの堕落の本質とするか、という問題についてもいくつかの異説がある。J・B・ラッセルはこれについて、道徳上の頽落とする説、品格の喪失とする説、天からの追放すなわち文字通りの落下であるとする説、自らすすんで神に背き天を離脱したことをもって堕落とする説を挙げている〔J・B・ラッセル 『悪魔の系譜』 大瀧啓裕 訳、青土社、83頁。〕。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「堕天使」の詳細全文を読む
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