|
塗仏(ぬりぼとけ)とは、佐脇嵩之の『百怪図巻』などの江戸時代の日本の妖怪絵巻にある妖怪。鳥山石燕の『画図百鬼夜行』にも描かれている〔。 == 概説 == 体の黒い坊主の妖怪で、両目玉が飛び出して垂れ下がった姿で描かれている。どの資料にも一切の解説文がないため、どのような妖怪を意図して描かれたものかは不明である。 江戸時代の絵巻物などや絵双六『十界双六』(国立国会図書館所蔵)には「ぬりぼとけ」あるいは「ぬり仏」とあり、長い髪の毛のようなものが背面に描かれている。『百怪図巻』では魚の尻尾のようなものが背面に描かれている例も見られる〔。河鍋暁斎『暁斎百鬼画談』(1889年)では名称の表示は無いが絵巻物の「ぬりぼとけ」と同形の、両目玉の飛び出た妖怪が描かれている〔吉田漱 監修 及川茂, 山口静一 編著 『暁斎の戯画』 東京書籍 1992年 ISBN 4-487-79073-5 151頁〕 『百鬼夜行絵巻』(松井文庫所蔵)では、黒坊(くろぼう)という名称で描かれている。絵巻物などや絵双六に描かれている「ぬりぼとけ」らと姿は同じであり、両目玉が飛び出して垂れ下がっている。黒坊は同絵巻に登場する妖怪としては一番先頭に描かれている〔別冊太陽『日本の妖怪』平凡社 1987年 6頁〕〔たばこと塩の博物館 編『武家の精華 八代・松井家の美術工芸』2002年 105頁 ISBN 4924989193〕。 江戸時代の随筆『嬉遊笑覧』に引かれている古法眼元信が描いた「化物絵」に描かれていたとされる妖怪の中には「ぬりほとけ」という名称が確認できる〔多田克己 『妖怪図巻』 京極夏彦・多田克己編著、国書刊行会、2000年、132-133頁。ISBN 978-4-336-04187-6。〕。 鳥山石燕『画図百鬼夜行』では仏壇の中から出現している姿が描かれている〔稲田篤信・田中直日編 『鳥山石燕 画図百鬼夜行』 高田衛監修、国書刊行会、1992年、82頁。ISBN 978-4-336-03386-4〕仏壇が塗仏の絵画に描き添えられているのは石燕の『画図百鬼夜行』のみである。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「塗仏」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Nuribotoke 」があります。 スポンサード リンク
|