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変分法における直接法 : ウィキペディア日本語版
変分法における直接解法[ちょくせつかいほう]
数学の一トピックである変分法における直接解法(ちょくせつかいほう、)とは、与えられた汎函数に対する最小点の存在の証明を構築するための一般的な手法である〔Dacorogna, pp. 1–43.〕。1900年頃に、ザレンバとダフィット・ヒルベルトによって導入された。この手法は、函数解析学トポロジーの手法に依拠するものである。解の存在を証明するために用いられるのと同様に、直接解法は解を所望の精度で計算するために用いられることもある。
== 解法 ==
変分法では、ある函数空間 V\bar = \mathbb \cup \ に対する汎函数 J\colon V \to \bar が扱われる。その主な興味は、そのような汎函数の最小点 (minimizer)、すなわち J(v) \leq J(u) が任意の に対して成り立つような函数 v \in V を見つけることである。
函数が最小点であるための必要条件を得る上での標準的な道具は、オイラー=ラグランジュ方程式である。しかし、それらを満たす函数の中から最小点を見つける方法は、前もって最小点の存在が示されていない場合には誤った結論を導くこともある。
汎函数 J が最小点を持つためには、下に有界である必要がある。すなわち
:\inf\ > -\infty \,
が成立する必要がある。この条件は、最小点が存在することを示す上で十分ではないが、最小化列 (minimizing sequence)、すなわち J(u_n) \to \inf\ を満たす V 内の列 (u_n) の存在を示す。
直接解法は次の手順で行われる:
# J に対する最小化列 (u_n) を取る。
# (u_n) には、V 上の位相 \tau に関して u_0\in V に収束するある部分列が存在することを示す。
# J は位相 \tau に関して列的に下半連続であることを示す。
このことが最小点の存在を示すことを確かめる上で、次のような列的に下半連続な函数の特徴付けを行う。
: 函数 J が列的に下半連続であるとは、
::\liminf_ J(u_n) \geq J(u_0)V 内の任意の収束列 u_n \to u_0 に対して成り立つ
:ことを言う。
結論は次より成り立つ:
:\inf\ = \lim_ J(u_n) = \lim_ J(u_) \geq J(u_0) \geq \inf\.
これはすなわち、次を意味する。
:J(u_0) = \inf\.

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「変分法における直接解法」の詳細全文を読む



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