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多指(趾)症(たししょう)とは、手足の先天性の形状異常のひとつであり、指(足の場合は趾)が分離形成される段階で、1本の指(趾)が2本以上に分かれて形成される疾患のことである。結果として手足の指の数が6本以上となる。反対に、指の数が少ないのを欠指(趾)症という。手足の先天性異常では比較的多くの割合を占め、様々な症候群に合併する。 過剰な指(趾)が痕跡的に突き出るもの、細い茎でぶらぶらする指(趾)がつながっているもの(浮遊型)、完全な指(趾)の形を示すものまで見られさまざまである。 人種的には黒人に多く見られるが、どの人種にも見られ、日本人では手指の場合は拇指(親指)に、足趾の場合は第V趾に多く見られる。 ブラジルには、14人の家族全員が先天的に指の数が多い多指症である例がある。 現代、特に先進国では幼いうちに一本を切断し5本指とすることが多い。その際は指(趾)の大きさ、骨や関節、筋腱における異常を検討して切断指(趾)を決める。手術治療を行う場合は指の機能が確立される1歳時までに行うのが主流である。国や時代によっては尊ばれる身体的特徴となる場合もあり、「隋書」の西域伝によると、疏勒では「人手足皆六指产子非六指者不育(皆、手足の指が六指であり、産まれた子が六指に非ぬ場合は育てず)」という風習があったとの記述がある。 ==多指(趾)症の人物== ===実在の人物=== *豊臣秀吉: 右手の親指が2本あったとルイス・フロイス、前田利家〔三上参次「豊太閤に就いて」(『安土桃山時代史論』仁友社、1915年)〕、姜沆〔 渡邊大門『秀吉の出自と出世伝説』(洋泉社、2013年)85-86p〕が記録している。 *祝允明(明代の詩人・書家):手の指が6本あった。号の「枝山」はそれにちなむ〔吉川幸次郎「元明詩概説」岩波文庫、P186〕。 *J・D・サリンジャー(アメリカの作家) *ヘンリク2世(ポーランド大公):左足には指が6本あった。この事実は1832年、棺が開かれた時に確認されている。 *アン・ブーリン(ヘンリー8世妃): 6本指だったと言われる。ただし実際は、右手の小指にこぶと2枚の爪があったという事から、多合指症であったと推測される。 *アントニオ・アルフォンセカ(メジャーリーグのピッチャー): 両手両足が全て6本指で、「six fingers」というニックネームもあった。 *ジュゼッペ・タルティーニ(作曲家・ヴァイオリニスト): 左手が6本指だったと言われる。 *江青(毛沢東の4番目の夫人): 右足が6本指だったと言われる。 *ハウンド・ドッグ・テイラー: ブルース系ミュージシャン。左手の小指の外側にもう一本指があったが、ギターを弾くのには邪魔であったという(真偽不明)。 *ハンプトン・ホーズ(ジャズピアニスト): 両手の指が6本ずつあったが、生後間もなく手術で切断。 *ジェマ・アータートン(イギリスの女優): 生まれつき両手の指が6本あったが、手術で切断した。 *蔡一智(香港のグループ歌手):右手の親指が2本に分かれている。 *シド・ウィルソン(スリップノット):生まれた時は指が6本あったが、手術で現在は5本になっている。 *リティク・ローシャン(インドの俳優):右手の親指が2本に分かれている。 *細谷佳正(日本の声優):生まれた時は右手の指が6本あったが、幼少期に手術で切断している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「多指症」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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