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夜戦[やせん]
夜戦(やせん、)は、夜間における作戦・戦闘である。夜間戦闘(やかんせんとう)とも呼ぶ。また、夜戦により敵に攻撃を仕掛ける戦術を夜襲(やしゅう、・night raid〔night raid - Weblio(クロスランゲージ 37分野専門語辞書)〕)という。 == 概要 == 野外が暗くなってから行われる戦いであり、自軍・敵軍とも視界がほとんど得られない環境においての作戦・戦闘行動である。攻撃側から積極的に行われる夜戦を「夜襲」と呼ぶ〔夜襲 - Yahoo!辞書(大辞泉、ジャパンナレッジ)(2012年4月10日閲覧)〕。「夜討ち」「夜駆け」も同義である〔夜討ち - Yahoo!辞書(大辞泉、ジャパンナレッジ)(2012年9月8日閲覧)〕。光熱インフラや探知装置の未発達な前近代においては、夜に敵陣へ攻め込むと守備側は不意を突かれる形になりやすいため、歴史上の夜襲は奇襲となっている例が多い〔敵の不意を突く時間に攻めると言う点では、早朝に攻め込む(朝駆け)の事例も多いので、奇襲が全て夜襲(夜討ち・夜駆け)という意味では無い。〕。なお、夜襲(奇襲)は卑怯であると考えられる場合があり、保元の乱では、源為朝が夜討ちを献策〔『保元物語』では源為朝の献策だが、『愚管抄』では源為義が献策したとされている。〕するが、「皇位継承の争いで夜討ちを行うのは相応しくない」とした藤原頼長が却下したと言われる。これが事実だとすれば、この頼長の配慮が裏目に出て逆に後白河天皇方の夜襲を許したために敗北と自身の戦死を招いたことになる。 人間は夜行性では無いため、暗闇の中での行動には不慣れである。暗闇の中で視界を得るためには網膜の桿状体が機能することが必要であり(暗順応)、これは暗闇に入ってから30分程度時間がかかる(日中の明るい光に晒され続けた場合は、より時間がかかる場合もある)。桿状体は網膜の周縁部に集中的にあるために、夜間で視力を得るためには対象物から少し視点をずらして見るという特殊な物の見方をする必要がある。移動においても、夜間は人間の感覚器官が鈍っているため疲労が蓄積しやすく、また障害物の有無や位置が確認しにくく、誘導が困難なために機動力が著しく低下する。誘導方法は地図、コンパス、GPSなどを用いる点は日中と変わらないが、得られる情報が日中に比べて少ないために意志決定や行動に時間がかかる。 夜間暗視装置(ナイトビジョン)やGPSが非常に発達した現代においても、夜戦は実行部隊にとってストレスの溜まる任務であり、危険度の非常に高いものであることは古来からほとんど変わっていない。それゆえに、夜間の歩哨任務なども同様に緊張感を強いられる。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「夜戦」の詳細全文を読む
英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Night combat 」があります。
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