翻訳と辞書 |
大兄[おおえ, たいけい] 大兄(おおえ)〔日本書紀では「おいね」と読む。〕とは、6世紀前期から7世紀中期までの倭(日本)において、一部の有力な皇子が持った呼称・称号である。大王(治天下大王、後の天皇)の皇位継承資格者と考えられている。 == 概要 == 「大兄」は大王家のみならず、一般豪族にもみられる呼称である。「大兄」の意味について直接説明した同時代的史料はない。ただし、6・7世紀の大王家に集中して「大兄」の呼称がみられるため、現代の歴史学者は「大兄」の名を持つ皇子を比較して帰納的にその意味を探っている。細かな点で異なる諸説があるが、多数の皇子の中で王位を継承する可能性が高い者が持つ称号とみなされている。 当時、治天下大王の地位継承は、大王の一世王にあたる皇子(王子)に優先権が認められており、その中で長兄→次兄→・・・→末弟というように兄弟間で行われ(兄弟継承)、末弟が没した後は、長兄の長男に皇位承継されることが慣例となっていた。当時は一夫多妻であり、大王家に複数の同母兄弟グループが存在していたが、この同母兄弟間の長男が「大兄」という称号を保有していた。従って、大兄が同時期に複数存在したこともあり、「大兄」を称する皇子同士でしばしば皇位継承の紛争が起こった〔井上光貞「古代の皇太子」184-188頁。〕。 しかし、「大兄」は同時期に一人に限られていたとする説もある。これによると、「大兄」は皇太子の先駆ともいえる制度的称号であり、「大兄」の称号を保有する皇子が皇位に即くか、即位以前に死亡するかで「大兄」の地位が移動したという。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「大兄」の詳細全文を読む
スポンサード リンク
翻訳と辞書 : 翻訳のためのインターネットリソース |
Copyright(C) kotoba.ne.jp 1997-2016. All Rights Reserved.
|
|