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大学院(だいがくいん)とは、高等教育(学士課程)にて優秀な成績評価を取得した者を対象として、上級学位(修士号、博士号、専門職学位)を付与する機関である〔http://www.grad.wisc.edu/education/admissions/requirements.html〕〔http://wordnetweb.princeton.edu/perl/webwn?s=graduate%20school〕。国際標準教育分類(ISCED)ではレベル6(第3期の教育ステージ2)に分類される。 大学院とプロフェッショナル・スクール(職業学校)との違いは、一般的には上級職業学位を付与するところであり、分野には医学、看護学、ビジネス、工学、法学などがある。大学院と職業学校とは独立したものではなく、様々な職業学校でも学位を付与しているところがある(たとえばいくつかの看護学校は看護学修士号を付与している)。 大学の学部では多くが学士号を付与するが、大学院は学部と独立施設である必要はない。米国やカナダでは、大学院は単独で "graduate school" と呼ばれているが、一方で英語圏国(オーストラリア、カナダ、アイルランド、インド、バングラデシュ、ニュージーランド、英国)では "postgraduate education" と呼ばれている。 大学院に通う学生を、アメリカ英語とイギリス英語では"graduate students"と呼ぶ。またイギリス英語では "postgraduate students"、"postgraduates"、"postgrads"と呼ばれることがある。日本では大学院生(院生)などと呼ばれる。 Advanced Degree(上級学位)をとるための制度は国によって多少異なる。日本やアメリカなど多くの国では大学院に学生として所属し、必要な履修受講した講義の単位を修得した上で論文を書き、学位を取得するのが通常である。一方で、ドイツなどでは博士取得を目指す者は、教員に指導を受けるとしても、学生となる(学籍登録し授業料を払う)とは限らない。日本においても、学生として大学に所属せずに論文を書き、大学に提出して審査を経て博士の学位を取得する論文博士の制度が残されている。 == 歴史 == 1876年、アメリカ合衆国のジョンズ・ホプキンス大学に世界で初めて「大学院」が設置された〔『大学・高等教育の経営戦略』(日本教育経営学会) 69頁〕。 日本では、1880年(明治13年)に東京大学の法・文・理の3学部に設置された「学士研究科」が大学院の起源とされる〔。1886年(明治19年)の帝国大学令により、帝国大学は「分科大学」(のちの学部)と「大学院」とで構成されると規定され、各帝国大学に大学院が設置されていくことになる。また、1887年(明治20年)の学位令により、博士号の授与が行われるようになった。1918年(大正7年)の大学令により、帝国大学以外にも大学が設置可能となるが、帝国大学が学部と「大学院」とで構成されるのに対し、帝国大学以外の大学は学部と「研究科」で構成されることになり、「大学院」の設置は認められなかった〔『現代大学の変革と政策: 歴史的・比較的考察』(喜多村和之 著) 87頁〕。戦後、新制大学になって大学院の設置が旧帝国大学以外でも可能になった。 1991年に文部科学省の大学審議会が、大学院の量的整備の緩和を答申し、それまで研究者養成機関と考えられていた大学院に、高度職業人を養成するための夜間大学院や専門職大学院などが加わり、院生の数が大幅に増加した。 2003年(平成15年度)に、専門職大学院の制度が作られ、法科大学院などが作られた。それに伴い、学部をおくことなく大学院をおく大学(いわゆる大学院大学)も増加した。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「大学院」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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