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大山咋神 : ウィキペディア日本語版
大山咋神[おおやまくいのかみ]

大山咋神(おおやまくいのかみ、おほやまくひのかみ)は、日本である。別名 山末之大主神(やますえのおおぬしのかみ)。
== 概要 ==
大年神とアメノチカルミヅヒメの間の子である〔式内社研究会 編(1990):349ページ〕。
名前の「くい(くひ)」はのことで、大山に杭を打つ神、すなわち大きな山の所有者の神を意味し〔、山の地主神であり、また、農耕(治水)を司る神とされる〔『日吉大社 山王三聖の形成 <最澄・円澄・円珍・良源の山王観の変遷>』(江頭務、イワクラ(磐座)学会会報28号、2013年7月12日) 〕。『古事記』では、近江国の日枝山(ひえのやま、後の比叡山)および葛野(かづの、葛野郡、現京都市)の松尾に鎮座し、鳴鏑を神体とすると記されている。なお、大山咋神は里山に鎮まるとされることから、『古事記』の「日枝山」とは、比叡山全体というより、里山である八王子山(比叡山の一部)を指すとする説もある〔。
「日枝山」には日吉大社が、松尾には松尾大社があり、ともに大山咋神を祀っている。日枝山と松尾については、共通の祭神を祀る社の存在だけではなく、八王子山と松尾山の両方に巨大な磐座と、古墳群(日吉社東本宮古墳群、松尾山古墳群)が存在し、ともに漢人系氏族(三津首(みつのおびと)氏、秦氏)に祀られるなど、共通点が多いことが指摘されている〔。特に、古墳群については、それらの古墳の埋葬者の勢力範囲と、大山咋神の神域とされる範囲の一致する可能性が指摘されている〔。
比叡山に天台宗延暦寺ができてからは、最澄によって、天台宗および延暦寺の結界を守る守護神ともされた。この理由として、最澄が、大山咋神を祀る漢人系氏族である「三津首氏」の出身であり、大山咋神の神域についての深い知識を有していたことが指摘されている〔。
大山咋神の別名山王(さんのう)は中国天台山の鎮守「地主山王元弼真君」に倣ったものである。なお、比叡山には、本来、山の全域において、大山咋神の他にも多数の神が祀られており、最澄が延暦寺の守護神として認識したのは、大山咋神だけでなく、その他の「諸山王」を含めた、比叡山の神々全体のことであったとも指摘されている〔。
天台宗が興した神道の一派を山王神道と言い、後に天海が山王一実神道と改めた。
太田道灌江戸城の守護神として川越日吉社から大山咋神を勧請して日枝神社を建てた。江戸時代には徳川家の氏神とされ、明治以降は皇居の鎮守とされている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「大山咋神」の詳細全文を読む



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