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大気結氷 : ウィキペディア日本語版
着氷性の霧[ちゃくひょうせいのきり]
着氷性の霧(ちゃくひょうせいのきり、Freezing fog)とは、微小な過冷却浮遊する気象現象のこと。の一種。着氷性霧、過冷却の霧、過冷却霧などとも言う。
過冷却の水の性質上、この霧は物体の表面に衝突すると、その衝撃凍結になる。水滴の大きさによって、さまざまな形の氷ができる。
地上に発生する霧と同様に、上空のにも着氷性の霧と同じ過冷却の水滴でできたものがある。このタイプの雲は比較的多く、高緯度ほど多く発生し、中低緯度でも上空の雲はこのタイプである場合が多い。
== メカニズムと成因 ==
雲及び霧の発生を物理的に見ていく。
空気が過飽和(湿度100%以上)になると、その空気に含まれる水滴は凝結して雲(霧)になり始め、過飽和度(100%を超えた分の湿度)が高くなるにつれてその中の水滴の密度が高くなってくる。
霧ができた状態で、何らかの原因によってこの空気が冷やされて0℃以下(氷点下)になると、霧の水滴は過冷却の状態になる。これは、日常生活の中で水が0℃を下回るとすぐ凍結するのとは違い、水滴が非常に微小な球形をしているためである。
水が凍結するためには、結晶化が安定して進む必要がある。そのためには、水分子が微小スケールで集まるための、核となる物質や衝撃などが必要になる。地球上の多くの大気中には、この核となる物質(凍結核)が少ない。また、衝撃の要因も少ない。
よって、気温0℃~約-42℃の範囲では、着氷性の霧が存在する。-42℃はほぼ全ての水滴が凍結する温度である。-32℃くらいで、凍結核無しでも自ら凍結する水滴が現れ始める。また、少ないといっても凍結核は存在しているため、-15℃くらいで、凍結核によって凍結する水滴が現れ始める。
霧の中で数滴が凍結すると、周りの水滴が蒸発昇華して成長するライミングが起こり、凍結が進んでいく。気温が低くなるほど凍結する水滴が増え、ライミングの速度も増す。ただ、凍結が始まる15℃以下の温度でも、短時間であれば着氷性の霧は存在する。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「着氷性の霧」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Atmospheric icing 」があります。



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