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大阪都構想(おおさかとこうそう)は、大阪で検討されている統治機構改革である。大阪府と、その域内にある政令指定都市である大阪市(または大阪市と堺市)を統合し、強力な広域行政体を設置することを目的とする。この場合、大阪市(または大阪市と堺市、または大阪市と堺市とその周辺の市)は廃止され、その領域には複数の特別区を設置するとされている。「大阪府と大阪市の二重行政の解消」という枠組みという点から、「大阪府・大阪市合併」または「府市統合」ということもある〔【イチから分かる】大阪都構想 府と市を「都」に再編 〕。 2010年に橋下徹(当時は大阪府知事)が立ち上げた地域政党大阪維新の会は、この構想を党是ともいうべき最重要政策として掲げ、推進した。大阪維新の会がとりまとめた大阪都構想の最終案では、大阪市を分割して5つの特別区を設置するとされている〔(大阪都構想1分ガイド)区議会議員の人数は? 朝日新聞デジタル 2015年3月18日〕。 2015年5月17日に、大阪市でこの構想の是非を問う住民投票が行われたが、反対票が賛成票を上回り、否決されるに至った。この結果を受けて、「大阪都構想」の議論の場であった大阪府・大阪市特別区設置協議会は正式に廃止された。しかし、大阪維新の会は2016年以降の大阪都構想の再挑戦を明言している。 == 概要 == 大阪市長の橋下徹が代表を務める地域政党大阪維新の会が、大阪府と大阪市の双方によってばらばらに行われてきた広域行政を一本化するとともに、「住民から遠い市役所から、『権限・責任』を住民に身近な区役所に移し、公選区・区議会のもと、地域のことを決定できるようにする」ことを実現させる為に掲げる構想である〔〕。モデルとされたのは東京都〔野上英文 大阪都構想のモデル東京都、新聞は72年前どう伝えたか 2015年5月16日10時34分 朝日新聞〕、グレーター・ロンドン〔ロンドン副市長「大阪市は静かに死んでいく」 橋下知事「大ロンドン市ならう」 2010/06/18 12:07 共同通信〕など。 この構想の目的は、政令指定都市の大阪市を廃止して、中核市程度の権限と財源を持ち、公選制の区長を置く特別区を設置し、旧市の行政機能・財源のうち、広域行政に関わる部分を「大阪都」に、地域行政に関わる部分を「特別区」に、それぞれ移譲・統合することである。これにより、 * 従来から議論となっていた「大阪府と大阪市の二重行政」の解消 * 大阪都市圏というより広範な地域を対象とした行政ニーズへの対応 * より小規模な自治体である特別区による、地域の実情に応じた小回りの利く地域サービスの実現 を達成しようというものである。 大阪維新の会の最終案では、大阪市に代わって設置される特別区の区議会議員の数は、大阪市議会議員の議員の数と同数とされ、議員の増員はされない。区議の報酬は市議の報酬額から3割減額する、とされていた〔。なお、最終案では大阪市地域にはそれぞれ区議会が設置されるが、大阪府議会では、定数削減後の88議席中27議席が配分されることとなり府議会全体の約31パーセントを占めることとなる。 大都市地域特別区設置法に基づき法定協議会が設置され、2014年7月23日に大阪都構想の設計書に当たる協定書(都構想案)が作成されたが、2014年10月27日に、自民党・公明党・民主党・共産党の反対により、協定書は大阪府議会・大阪市議会にてにそれぞれ否決された。 しかし、その後、公明党が「住民投票を行うことについては賛成する」として議会での承認について賛成に転じた。2015年1月13日、改めて開かれた法定協議会にて協定書が承認された。そして、大阪市議会で3月13日に制度案を可決、大阪府議会でも3月17日、賛成多数で可決・承認された〔大阪府議会「都構想」可決…住民投票実施が確定 読売新聞 2015年03月17日〕。 協定書が大阪市議会と大阪府議会で承認されたため、大阪市選挙管理委員会は、住民投票を2015年4月27日告示、5月17日投票の日程で行うことを決めた〔「大阪都構想」賛否問う住民投票 5月に実施 NHKニュース 2015年3月20日〕。住民投票の対象者は、該当区の住民基本台帳に記録されている日本国民で、20歳以上であり、平成27年(2015年)1月2日までに大阪市内へ転入し、その届出をした人。 5月17日の住民投票で大阪都構想は、即日開票の結果、僅差であるが反対多数で否決され、廃案となった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「大阪都構想」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Osaka Metropolis plan 」があります。 スポンサード リンク
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