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株式会社大陸書房(たいりくしょぼう)は1967年から1992年まで存在した日本の出版社、映像ソフト会社。かつての本社は東京都文京区本郷2-3-9で、最終所在地は東京都文京区本郷2-6-4。 == 沿革 == 双葉社で実話雑誌や秘境本を担当してヒットを飛ばしていた編集者の竹下一郎が、1967年12月、オカルト関係のノンフィクション専門の出版社として設立〔飯倉義之「美しい地球の<秘境> ――<オカルト>の揺籃としての一九六〇年代<秘境ブーム>」『オカルトの惑星 1980年代、もう一つの世界地図』吉田司雄編著、青弓社、2009年、pp.27-28〕。社名はムー大陸からとられた〔原田実「邪馬台国と超古代史」『オカルトの惑星 1980年代、もう一つの世界地図』吉田司雄編著、青弓社、2009年、p.75〕。 1968年2月に「失われたムー大陸」を初出版、以後「失われた文明」、「怪奇・奇談」、「UFO」、「神秘・四次元」などのシリーズものを中心に刊行し、1970年代のオカルトブームを支えた〔。 業績は当初より良いとはいえず、1980年代に入ると経営危機が表面化。1986年には創業者が会長職に退き、父親が大陸書房の社主と関係があったという廣済堂出版出身の塚田友宏が社長に就任。新経営陣は漫画雑誌に参入し、数々の雑誌を創刊〔長谷邦夫『ニッポン漫画雑誌名鑑』データハウス、1995年、pp.168-169〕。さらに打開策として映像ソフト事業への参入を図る。 一般のビデオで1万円を超えるのが普通だった時代に、大陸書房は1987年7月から30分で1800円という値段で書店を通じてセル専用で発売を開始した〔『日本経済新聞』1988年4月18日付〕〔「大陸書房、書店で映画ビデオ 価格抑え大量販売」『日経産業新聞』1988年5月4日付〕。書籍の流通ルートを利用し、委託販売方式でビデオソフトを販売するという販売戦略で、後に書店売りビデオとして一般化した手法だが、廉価のセル専用ビデオの可能性を初めて示したのが大陸書房だった〔藤木TDC『アダルトビデオ革命史』幻冬舎新書、2009年、p.201〕。 初年度の1987年度には300万本の売り上げを記録するなど、大きな反響を呼んだ。業績も急回復し、同社はビデオのラインナップを映画の廉価版からアイドルもの、アダルトもの、アニメーション、ハウトゥーものまで幅広く揃え〔、ビデオ販売への依存度を高めていく。 しかし、大陸書房の成功を見た笠倉出版や英知出版などが相次いでセル市場に参入すると、ビデオの売れ行きは伸び悩み、書籍扱いの委託販売方式のために大量の返品を抱え込むようになる〔。同社ではレンタルビデオ市場に進出するなど、経営多角化を図るが、業績が急激に悪化。 1992年8月には東京地裁に自己破産を申請、倒産するに至った。倒産原因はビデオの過当競争による伸び悩みと報道され、負債額は97億円余にのぼり、出版界としては当時最大級の経営破綻だった〔「大陸書房、自己破産を申請」『日本経済新聞』1992年8月5日付〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「大陸書房」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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