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『天人唐草』(てんにんからくさ)は、山岸凉子による日本の漫画。『週刊少女コミック』(小学館)に1979年に掲載された。山岸の代表的な短編作品の一つで、たびたび作品集の表題作になっている。 == あらすじ == 主人公の岡村響子は幼少時のある日、見つけた可愛らしい花が「イヌフグリ」という名前であることを教えられるが、なぜか笑われる。意味がわからなかった響子は、夕食の場で両親に「イヌフグリ」の意味を訊ねるが、母からは「その花は天人唐草と言った方が良い」と言われるのみで意味を教えてくれず、納得出来ない響子はしつこく意味を聞こうとしたところ、厳格な父から「女の子がそんなことを口にするな」と怒鳴られる。その後も父から事あるごとに叱られ、「失敗を恐れる」ようになる。 中学生になった響子は同級生の男子生徒に恋心を抱き、思い切ってラブレターを渡すが、すぐに両親に知られてしまい、父から「お前がそんなませた子だとは思わなかった」と叱られる。ショックを受けると共に、今後は異性に積極的にアプローチすることはしないと心に誓い、内向的な女性に成長していく。 高校卒業を控え、成績も良好で家庭の経済状況も悪くなかった響子は大学進学を希望するが、「女に高学歴などいらない」という父の一言で進学を諦め、父の紹介で会社勤めを始める。父の厳格なしつけの影響で、社内の飲み会では気の利いた受け答えやお酌も出来ず、歌も歌えない。同僚達からは「お高く止まっている」と言われ、戸惑う響子。その夜、同僚男性・佐藤に自宅まで送ってもらうが、彼から「君は他人の目や評価を気にし過ぎている」と指摘される。 そんな中、響子の母が他界する。父は家事が出来ないこともあり、響子は仕事を辞めて家庭に入り「家事手伝い」になる。面倒な人間関係のない生活に「この方がずっと楽だ」と響子は安堵する。結婚適齢期を迎えた響子は見合いを何度かするが、「女性は控えめでいることが美徳」と考えている響子は受け身な対応ばかりしてしまい、相手の男性から呆れられて破談となり、父から「お前はおとなしすぎる」と叱られる。 その後、家事手伝いとして平凡に暮らしていた響子の元に、父が倒れたという報が入る。響子は慌てて駆けつけるが、すでに父は他界していた。そこは見知らぬ女性の家で、話を聞けば、その女性と父は10年ほど前から交際していたという。派手な化粧、燻る煙草、そこにいたのは今まで父が「こうあってはいけない」と厳しく言っていた女性の姿だった。しかも母の存命中から交際していたことを知り、愕然とする響子。帰りの電車の中で、響子は悲しみにくれた。そんなか弱い彼女の姿に目をつける男がいた。 帰りの夜道で男に暴行されてしまう響子。事後、道端に咲く「天人唐草」の花を見て、「大丈夫、あの人は許してくれる」とつぶやく響子。〔「あの人」が誰のことを指しているのかは作中で明言されていない。〕その後、街中で金髪・フリルのドレス姿で奇声を上げる一人の女性の姿が。それは発狂し、奇抜なファッションに身を包んだ響子であった。彼女は狂気という檻の中で、ようやく解放されたのである。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「天人唐草」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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