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失速警報装置 : ウィキペディア日本語版
失速警報装置[しっそくけいほうそうち]
失速警報装置(しっそくけいほうそうち、)また失速防止装置(しっそくぼうしそうち、)とは、航空機に取り付けられている安全装置のひとつであり、航空機が失速速度に近づくとパイロットに警告する装置。
失速とは、航空機が飛ぶ時には揚力が必要であるが、この揚力を失う限界速度を失速速度といい、この速度を下回ると航空機は墜落の恐れがある。この為、失速速度が近づくと操縦桿を振動させたりしてパイロットに知らせる。
なお、失速速度は機種毎に異なる。
== スティックシェイカー ==

失速警告のために操縦桿が振動する仕組みをスティックシェイカー(stick shaker)といい、これは機体の失速直前に操縦桿(コントロール・スティック)が素早く小刻みに音を立てながら振動する(シェイクする)構造を有している。民間機から軍用機にいたるまで多くの航空機にこの仕組みが採用されている。
スティックシェイカーは失速防止装置の一部であり、翼部に設けられたAOAセンサ(迎角計)とそのAOAセンサを飛行機の速度等と合わせ計算するコンピュータを用いている。コンピュータが、AOAセンサやあらゆる飛行システムからのデータを統合し、そのデータが失速直前の状態だと感知したとき、コンピュータが操縦桿を振動させ、同時に音声で警告する。
スティックシェイカー自体の構造としては、意図的にバランスを崩したフライホイールが接続された電動モーターが接続されている。スティックシェイカーが作動すると、通常ではありえない強烈な振動音とともに強力に操縦桿を振動させる。操縦桿の振動は失速時に生じる飛行機の気流の乱れによって生じる振動の振動数や振幅に似せている。操縦桿の振動は、操縦士がもし失速警告音が聞こえなかったときに、失速を知らせるための二次手段としての機能でもある。
大きな機体の飛行機(特にディープストールの影響を受けやすいT字翼機)では、失速時、昇降舵コントロールを自動的に前方に押し出すスティックプッシャーシステムを含めた失速防止装置が採用されている。これにより迎角を減らして失速を防げるようになっている。装置は離陸前に動作テストがなされ、飛行中は常に作動状態にあるようにしなければならない。
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