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女系[じょけい]
女系(じょけい)は、血統の根拠を女親(母方)の血統に求めること、また求めた者を指す。対義語は男系(だんけい)。なお、生物学的な分野においては母系を用いる。女系優先の社会は母系制という。 == 女系継承 ==
===イスラーム世界=== イスラーム世界では男系継承が主であるが、女系継承の例もある。ムハンマドの一族ハーシム家は、ムハンマドの死後も預言者の近親として高い敬意を払われたが、内部では男系で同等のアッバース家と、アブー・ターリブ家の中のアリー家(さらにはその中のアリー=ファーティマ家)との正統性を巡る争いがあった。アッバース朝は、アッバースのムスリムとしての活躍やムハンマドの父方の叔父であったことを理由に、ムハンマドの後継者であることを主張したが、アリー家を支持する勢力(シーア派やそれに近い一派)は、アリーとムハンマドの親しさやアリーの正統カリフとしての事績を理由に対抗した。その中で、アリー=ファーティマ家を支持するシーア派は、ムハンマドの血筋はファーティマを通じて女系でハサン、フサインに受け継がれており、ムハンマドの唯一の子孫であるアリー=ファーティマ家こそ、すべてのハーシム家を抑えて預言者の継承者にふさわしいと、女系継承の論理でムスリムの支持を集めた。後代になってもこのことを理由に、サイイドは男系継承を主としながら、女系のサイイドも時代を下るにつれて認められるようになった。たとえば、中央ユーラシア・トルキスタンのヒヴァ、ブハラ、コーカンドの3ハーン国は、男系ではチンギス・ハーンの子孫である(少なくともそう認知されていた)が、女系を通じてサイイドでもあり(となっており)、実際にサイイドとして認知されていた。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「女系」の詳細全文を読む
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