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スペースデブリ(、とも)または宇宙ゴミ(うちゅうゴミ)とは、なんらかの意味がある活動を行うことなく地球の衛星軌道上〔低・中・高軌道〕を周回している人工物体のことである。宇宙開発に伴ってその数は年々増え続け、対策が必要となってきている。 == 概要 == ここで言う「スペースデブリ」には、耐用年数を過ぎ機能を停止した(された)、または事故・故障により制御不能となった人工衛星から、衛星などの打上げに使われたロケット本体や、その一部の部品、多段ロケットの切り離しなどによって生じた破片、デブリ同士の衝突で生まれた微細デブリ、更には宇宙飛行士が落とした「手袋・工具〔「宇宙空間で行方不明になった工具箱、アマチュア天文学者が地上観察に成功 」Technobahn、2008年11月25日〕・部品」なども含まれる。なお、天然岩石や鉱物・金属などで構成された宇宙塵(微小な隕石)は「流星物質(メテオロイド)」と呼ばれ区別されている。 旧ソ連がスプートニク1号を打ち上げて以来、世界各国で4,000回を超える打ち上げが行われ、その数倍にも及ぶデブリが発生してきた。多くは大気圏へ再突入し燃え尽きたが、現在もなお4,500トンを越えるものが残されている。 これらスペースデブリの総数は増加の一途〔Orvital Debris Quarterly News (脚注先のページ内よりリンクされているPDFファイルの最終ページ) 〕〔CelesTrak SATCAT Boxscore (国別の衛星とデブリの集計) 〕を辿っているうえ、それぞれ異なる軌道を周回しているため、回収及び制御が難しい状態である。これらが活動中の人工衛星や有人宇宙船、国際宇宙ステーション(ISS)などに衝突すれば、設備が破壊されたり乗員の生命に危険が及ぶ恐れがあるため、国際問題となっている。現にニアミスや微小デブリとの衝突などは頻繁に起こっており、1996年にスペースシャトル・エンデバーのミッション(STS-72)で若田光一宇宙飛行士が回収した日本の宇宙実験室(SFU)には、微細なものを含めると500箇所近い衝突痕が確認された。 スペースデブリは、地表から300 - 450kmの低軌道では7 - 8km/s、36,000kmの静止軌道では3km/sと非常に高速で移動している。さらに軌道傾斜角によっては相対的に10km/s以上で衝突する場合もありえる。運動エネルギーは速度の2乗に比例するため〔 U:運動エネルギー m:質量 v:速度〕、スペースデブリの破壊力はすさまじく、直径が10cmほどあれば宇宙船は完全に破壊されてしまう。数cmでも致命的な損傷は免れない。さらに数mmのものであっても場合によっては宇宙船の任務遂行能力を奪う。5 - 10mmのデブリと衝突するのは弾丸を撃ち込まれるに等しい。 このような衝突を防ぐことを目的として地球近傍のデブリ等を観測する活動はスペースガードと呼ばれる。北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)の宇宙監視ネットワーク(Space Surveillance Network、略称:SSN)、ロシアの宇宙監視システム(Space Surveilance System、略称:SSS)などでは約10cm以上の比較的大きなデブリをカタログに登録して常時監視が行われており、日本でも美星スペースガードセンター(BSGC)、上斎原スペースガードセンター(KSGC)の2施設でデブリの監視が行われている。カタログ登録されたデブリの数だけでも約9,000個に及び、1mm以下の微細デブリまでも含めると数百万とも数千万個とも言われる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「スペースデブリ」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Space debris 」があります。 スポンサード リンク
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