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安島清広 : ウィキペディア日本語版
安島清広[あじま きよひろ]
安島 清広(あじま きよひろ、生没年不詳)は戦国時代安土桃山時代武将戦国大名佐竹氏家臣受領名美濃秋田県公文書館蔵『阿嶋美濃守宛授領之判紙写』、『阿嶋美濃守宛和田安房守証文之写』、『東義久官途状』参照。〕。子に清正がいる〔常陸太田市編さん委員会『佐竹家臣系譜』(常陸太田市、1982年)38頁参照。〕〔系譜は秋田県公文書館蔵『』(秋田県公文書館、2001年) 34頁にも掲載されている。〕。
安島氏藤原北家魚名の流れを汲み藤原秀郷を祖とする。
安島清広の名は佐竹義宣の家臣の系譜である『諸士系図』に見られる。佐竹氏天正2年(1574年) 2月に陸奥国高野郡にある白河結城氏方の赤館城奪取により白河郡に新たな所領を獲得し、天正6年(1578年8月に佐竹・白河両家が和議を結んだことで、陸奥国南部における新たな領土として陸奥南郷領を確立していた〔佐々木倫朗「佐竹氏の陸奥南郷経営―戦国期から統一政権期にかけて―」『歴史人類 第5号』(筑波大学歴史人類学系、1997年3月)49頁以下参照。〕。清長は佐竹三家の一つ、佐竹東家の当主で南郷領経営を担当していた義久の配下と見られ、天正12年(1584年6月3日、義久から官途状が下され、美濃守の受領名を授かっている〔。同年、7月10日には佐竹氏家老の和田昭為から「安嶋美濃守殿」との宛名で起請文が発給されている〔なお、起請文には「誓書を以て懇切承るにつき、隔心なきことを誓う」とあり、和田氏との間に寄子関係の契約、進退保証を約した内容だったと見られる。佐々木倫朗著「戦国期佐竹家臣団に関する一考察―側近・奉行人層の分析を通じて」大正大学編『大正大学研究論集第38号』(大正大学、2014年)33頁の表1 佐竹氏側近・奉行人発給文書目録(義昭・義重期)番号17の項より。〕。さらに、『佐竹義宣家臣知行版物』によれば文禄4年(1595年8月18日、家老 和田昭為、人見藤道連署により「赤館城の北、堤の内に25石、城の南、手沢に25石と複数の地に知行を相給する」との書状が交付されている〔〔佐々木倫朗著『戦国期権力佐竹氏の研究』(思文閣出版、2011年) 232頁、233頁参照。〕。
清広が陸奥南郷領にて活動していた頃とほぼ同時期には、同姓の安島久成が佐竹義宣の家臣として棚倉の地で城代を務めていた〔山形県新庄市立図書館所蔵『郷土資料叢書第九輯』所収「戸沢家中分限帳(一)」94頁参照。〕。なお、佐竹義久の家臣として安島大膳亮采女親子の名が見えることから、一族で佐竹東家の指揮の下で常陸国・陸奥南郷領の統治に従事していたものと見られる〔〔秋田県公文書館、茨城県立歴史館蔵安島吉兵衛同主税筆『系図 佐竹山城家人安島吉兵衛』参照。〕。
== 秋田藩家蔵文書 ==
二三 東義久官途状寫茨城県立歴史館編『茨城県史料中世編Ⅴ』(茨城県1996年) 184頁より転載。〕

授〔受〕領之事、其段可有御心得者也
      天正十二年甲
        六月三日         (花押影)  
         阿島美濃守との     (東義久)

二四 和田昭為起請文寫

       返々
向後我等へ無二懇切可有之之由、誓書を以承候、尤本望之至令存候、
拙者事も無隔心、此以後者彌々可申合候、可御心安候。若又申隔者
候者速ニ其方ニ相尋可申候、此儀於偽者、當郷 近津大明神・宇賀
大明神・八幡大井・摩利支天可蒙御罰者也
    仍如斯
   天正拾二年甲甲    和田安房守
      七月十日        昭為(花押影)
     安嶋美濃守殿
           参

二五 佐竹義宣知行状寫〔茨城県立歴史館前掲書 (茨城県、1996年) 185頁より転載。〕

「和田昭為・人見主膳奉書」
一五十石也 堤内廿五石手澤内廿五石
                    人見主膳(藤道)  花押
 文禄四年未乙八月廿八日
                    和田安房守(昭為) 花押
安嶋美濃守(清廣)との

                                   
以上、秋田藩家蔵文書所収安島文左衛門所蔵文書より。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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