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数学の特に順序理論関連分野における有向完備半順序(ゆうこうかんびはんじゅんじょ、; dcpo)および ω-完備半順序(オメガかんびはんじゅんじょ、; ωcpo)あるいは単に cpoとは、半順序集合の特別なクラスで、によって特徴づけられる。完備半順序は理論計算機科学、表示的意味論、領域理論において中心的な役割を果たす。 == 定義 == 半順序集合が有向完備半順序集合 (dcpo) であるとは、その任意の有向部分集合が上限を持つことを言う。半順序集合の部分集合が有向であるとは、それが空でなく、その任意の二元の上界がその部分集合内にとれることを言うのであった。言葉づかいとして、有向完備半順序集合のことを上完備半順序集合 (''up-complete poset'') と言ったり、単に cpo と言ったりする。 ω-完備 (あるいは単に cpo) は任意の ω-鎖 が上限を持つような半順序集合を表すのに用いられる。任意の ω-鎖は有向ゆえ、任意の有向完備半順序は ω-有向完備半順序だが、逆は真でない。 最小元を持つ有向完備半順序集合は重要であり、しばしば点付き有向完備半順序や cppo あるいは単に cpo と呼ばれる。 有向上限の存在を要求することは、有向集合および上限を(近似的)計算における近似およびその極限をそれぞれ一般化するものと見做すことを考えれば自然である。この直観は、表示的意味論において、領域理論の発展を背景としてもたらされたものであった。 有効完備順序集合の概念はフィルター付き完備半順序 (''filtered complete partial order'') と呼ばれるが、双対順序を明示的に用いて扱う方がふつうであるから、実利上はこの概念を直接扱うことはそれほど多くない。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「完備半順序」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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