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定常宇宙論 : ウィキペディア日本語版
定常宇宙論[ていじょううちゅうろん]
定常宇宙論(ていじょううちゅうろん、steady state cosmology)とは、1948年フレッド・ホイルトーマス・ゴールドヘルマン・ボンディらによって提唱された宇宙論のモデルであり、(宇宙は膨張しているが)無からの物質の創生により、任意の空間の質量(大雑把に言えば宇宙空間に分布する銀河の数)は常に一定に保たれ、宇宙の基本的な構造は時間によって変化することはない、とするものである。
2005年現在、ビッグバン理論(ビッグバン仮説)が有力と考えられることが多く、支持する多くの科学者らから「標準的宇宙論モデル」と呼ばれており、このような立場からは定常宇宙論は「非標準的宇宙論 (non-standard cosmology)」の一つと見なされている。
== 定常宇宙論における宇宙 ==
定常宇宙論は、一般相対性理論の下では静的な宇宙は存在できないという理論的計算や、宇宙が膨張していることを示すエドウィン・ハッブルの観測を受けて考え出された。定常宇宙論では、宇宙は膨張しているにもかかわらず時間とともに変化しないと主張する。この主張が成り立つためには、宇宙の密度を不変に保つために新たな物質が時間とともに絶えず生成されている必要がある。
この理論で必要な物質生成の速度は、1年間に1km3あたりおよそ水素原子1個程度という非常に小さな割合で十分なため、このような物質生成が直接観測されていないことはこの理論の問題にはならない。新たに物質が生まれるということから質量保存の法則を破ってはいるものの、定常宇宙論には多くの魅力的な特徴がある。最も特筆すべき性質は、この理論では宇宙の始まりを必要としない点である。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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