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数学の分野における定数関数(ていすうかんすう、)あるいは定値写像とは、値の変動しない、すなわち定数であるような関数あるいは写像のことを言う。例えば、関数 ''f''(''x'') = 4 はすべての値を 4 へと写すため、定数関数である。より正式に、関数 ''f'': ''A'' → ''B'' が定数関数であるとは、''A'' 内のすべての ''x'' と ''y'' に対して ''f''(''x'') = ''f''(''y'') が成立することを言う。 すべての空関数は、、定数関数である。なぜならば、空集合 ''A'' に対して、''f''(''x'') と ''f''(''y'') が異なるような ''A'' 内の元 ''x'' と ''y'' は存在しないからである。 多項式関数の文脈では、ゼロでない定数関数は次数ゼロの多項式と呼ばれる。 関数が恒等的にゼロ (identically zero) であるとは、すべての引数に対するその値が 0 であることを言う。したがって、そのような関数が定数関数であることは明らかである。 == 性質 == 定数関数は、合成関数に関して、二つの方法で特徴づけられる。 次の条件はすべて同値である: # ''f'': ''A'' → ''B'' は定数関数である。 # すべての関数 ''g'', ''h'': ''C'' → ''A'' に対して、''f'' o ''g'' = ''f'' o ''h'' が成り立つ(ここで "o" は関数の合成を表す)。 # ''f'' と他の任意の関数との合成は、定数関数である。 上述の定数関数についての初めの特徴づけは、圏論の分野におけるより一般的なの概念の性質を定義する上での動機となるものである。 関数の微分は、定義に従えば、引数の変動に対してその関数がどの程度変化するかということを測るものである。定数関数は変化しないために、その微分はゼロである。したがって、例えば次が成り立つ: * ''f'' を、ある区間上で定義される実数値関数であるとしたとき、''f'' が定数関数であるための必要十分条件は、''f'' の微分が至る所でゼロであることである。 の間の定値写像は、順序を保存しかつ順序を逆にする写像である。逆に、''f'' が順序を保存し、かつ逆にする写像であり、さらに ''f'' の定義域が束であるなら、''f'' は必ず定値写像である。 定値写像の性質には、他に次のようなものがある: * 始域と終域が等しいすべての定値写像は、冪等 (idempotent) である。 * 位相空間の間のすべての定値写像は、連続関数である。 連結集合上の関数が局所定数関数であるための必要十分条件は、それが定数関数であることである。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「定数関数」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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