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実物教授 : ウィキペディア日本語版
実物教授[じつぶつきょうじゅ]
実物教授(じつぶつきょうじゅ)とは、具体的な実物やものごとの現象を生徒に直接示したり、触れることによって、理解や体験を得られるような指導を行うことである。もともとはスイスのヨハン・ハインリヒ・ペスタロッチが提唱したもので、即物教授という言い方もある。原語(ドイツ語)は、Sachunterrichtである。
==学校教育の方法論の確立==
ペスタロッチは、教師が生徒に抽象的で、観念的な知識を一方的に注入する教授法に対して、子ども自ら学ぼうとする自己活動に教授の基礎をおくべきだと考えた。また、彼は、直観教授法という教授法を主張し、事物に対する直観(die Anschauung、ひらめきの直感ではなく、観ることで理解するという意味)から子どもの認識を発展させるという。つまり、認識を単純な構成要素にわけ、そこから事物の表象を再構成させるという学習指導方法を主張した。このような学習指導の方法論「メトーデ(Methode)」は、集団を対象とした学習指導法の本格的な開発として評価されている。
ペスタロッチは実際に学校を経営して教育の方法を研究した人物であり、直観主義の教育方法「メトーデ」を確立した。「直観」とは直接モノを観て教えるという実物主義の考えで、「数・形・語」を教えた。例えば果実でその数、形体、名称や性質を教える。基礎陶冶(焼き物を作るための陶土をしっかりと吟味して選別し、それを慎重に焼き物に仕上げていくこと)を重視して、その上で開発主義(開発主義教授法のこと)の問答法で認識をすすめていくことを提唱した。
「メトーデ」とは直観教授のことであり、知識を言葉によって教えるのではなく、実物や絵を子どもたちに見せて、感覚器官を通じて知識を習得させていく方法である。この点でペスタロッチは感覚器官を育てた後に理性の教育へと展開すべきことを推奨する。

明治時代の日本にもペスタロッチ主義の教育実践が流入した。なおこの直観教授は「開発教授」として伝えられている。明治時代には、絵など書いた図表を先生が指し、子どもたちに「これは何ですか」とたずねて実物を見せながら授業を展開させていく実物教授的な授業が取り組まれるようになった。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「実物教授」の詳細全文を読む



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