|
ピグー効果(ピグーこうか、)とは、特にデフレーションにおいて、資産(wealth)の実質価値の増加が生産高や雇用に刺激を与える効果のことである〔Pigou effect(July. 10, 2014, 19:53 UTC)参照〕。「資産効果」と呼ばれることもある。 == 解説 == 物価と貨幣賃金が十分に下落すれば、消費者が保有している資産の実質的な価値が上がることにことにより、消費が増大(IS-LMモデルで言えば、IS曲線が右にシフト)し、雇用と生産が増え、完全雇用が達成されるとアーサー・セシル・ピグーは考えた。すなわち、ピグー効果を前提に考えると、仮に経済が不景気に陥り、失業(貨幣賃金の低下)が発生すると、デフレ状態になり、ピグー効果によって消費の増大(需要の増大)が起こり、そして雇用の増大がなされ、経済は自動的に(自己修正的に)景気回復へ向かうだろうということが言える。このピグー効果という用語は新古典派経済学者であるアーサー・セシル・ピグーの名前をとってドン・パティンキンが1948年に使いはじめた。 しかしながら、G.バーバラーやT.シトフスキーはピグー以前にも同じ所得効果を指摘しており、現在では実質残高効果や資産効果と呼ぶことも多い。ピグー効果が示された論文として有名なのは1943年のピグーの論文「The Classical Stationary State」である。なお、ピグーは新古典派の経済学者であることに留意する必要がある。 ここで、資産(wealth)とは、ピグーによって、マネーサプライと国債の和を物価で割ったものと定義されている〔。ピグーは、賃金引下げによって物価(生産物の貨幣価格)が下がることによって、資産の実質価値が大きくなり、その実質購買力の増加が生ずるので、これが支出(特に消費支出)を刺激し、雇用が拡大すると論じた。これがピグ―効果である。 彼は次の点が明記されていないジョン・メイナード・ケインズの『一般理論』は不十分であると論じた。すなわち、実質残高と現在の消費のつながりと、このような富効果が総需要の落ち込みに対して、ケインズが予測したよりも経済をより「自己修正的」にするだろうという点である〔。 この「貨幣賃金を引き下げることによって雇用が増大する」というピグーのアイデアに対しては、「不況や失業を克服するためには政府が積極的に介入するべき」という立場を取るケインジアン達から批判がなされた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ピグー効果」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Pigou effect 」があります。 スポンサード リンク
|