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『家族狩り』(かぞくがり)は、天童荒太が1995年に発表した長編小説。連続して起こる家族を狙った殺人事件をメインに、登場人物たちそれぞれの心の葛藤を描く。単行本版は激しい残虐描写に賛否を受けつつも、テーマと構成力を高く評価され第9回山本周五郎賞を受賞した〔第九回山本周五郎賞 、新潮社、2014年5月25日閲覧。〕。のちに文庫化された際には大幅に改稿され、基本的な流れは同じだが、登場人物に関わる事柄の描写がかなり異なっている。 2014年現在、文庫版の売り上げは120万部を突破している。 2014年には本作を原作とするテレビドラマ『家族狩り』が放送された。 == 制作背景 == 日本推理サスペンス大賞優秀作『孤独の歌声』で再デビューした天童荒太が、1992年から1995年の夏にかけて執筆した作品。元々は執筆当時もてはやされていた「家族にかえろう」への怒りを込めたアンチテーゼとして執筆した。背景には、家族の崩壊で生じた問題が多々あるのに、解決せずに「家族にかえろう」なんて言ったら、結局家族の弱いもの=子供に皺寄せがゆくのが明らかだから、という天童の思いがあった。その風潮への怒りを込めた結果、読者や書評家からの大きな支持を受け、山本賞受賞(これは天童にとって意外なことだった)によって代表作となり、後の『永遠の仔』などの執筆の際の精神的な原動力になったという。〔天童荒太(2004年1月)「あとがき 」、天童荒太『新・家族狩り』特設サイト、2014年5月25日閲覧。〕 それゆえに文庫化が非常に待ち望まれていたが、2004年に単行本とは細かい部分や結末などが違った、ほとんど全面改稿に近い「文庫版の新作」として発表。これは当時の「怒りに満ちた否定的な」物を出しては『永遠の仔』からファンになった読者に対し失礼という点、また単行本から9年経って自身の考え方も変わったため、「たとえ辛くても、人生を歩いていける」という気持ちから変更に至ったという。なお単行本そのままのバージョンは、2007年に「オリジナル版」として再版された。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「家族狩り」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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