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富士塚 : ウィキペディア日本語版
富士塚[ふじづか]
富士塚(ふじづか)は富士信仰に基づき、富士山に模して造営された人工である。江戸時代には一般的に「お富士さん」などと呼ばれ親しまれていた。一方、現代では「ミニチュア富士」(ミニ富士)とも呼ばれている。
== 概要 ==
富士塚の造営方法は基本的には通常の人造の山(築山)と同様であるが、中にはすでに存在する古墳を転用して富士に見立てたものや、富士山の溶岩を積み上げたものもある(全てではなくとも、目立つところに設置したりなど)。富士信仰では自然の地形の山を富士山に見立てることも多いが、本項では前述の人工の山や塚あるいは丘や古墳を転用したものなど一般的な富士塚を主に扱う。なお、富士塚の名称としては後ろに富士を付して、「○○富士」のように呼ばれることがある(本項以下で述べる富士塚の例を参照)。
浅間神社の境内にあり、また本物の富士山の山頂にある浅間神社奥宮に対応するように、こちらの山頂にも宮が設けられる。関東地方を中心に分布する。富士山の山開きの日(現在では7月1日)に富士講が富士塚に登山する習慣がある。基本的に富士塚の上から富士山をのぞむことができるように築造されるが、近年の家屋の高層化に伴い富士山を直接視認できるものはほとんどない。近年では劣化を防ぐため普段は立ち入ることができない富士塚も多いが、前述の富士山の山開きに合わせて6月末 - 7月初め、あるいは催事などの際に登ることができるものもある。登山道に見立てて付いている通路に沿って「一合目・二合目……」と、富士山に登る思い入れを込めて登れば、神々しく有難く、霊験あらたかであるともされており〔『算法表現論』p.56〕、富士信仰の文化が現在も脈々と受け継がれている。
現代に残る多くの富士塚の中でも江古田の富士塚(東京都練馬区小竹町茅原浅間神社境内)〔江古田の富士塚 (文化遺産オンライン)〕、豊島長崎の富士塚(同豊島区高松の富士浅間神社境内)〔豊島長崎の富士塚 (文化遺産オンライン)〕、下谷坂本の富士塚(同台東区下谷小野照崎神社境内)〔下谷坂本の富士塚 (文化遺産オンライン)〕、木曽呂の富士塚埼玉県川口市東内野)〔木曽呂の富士塚 (文化遺産オンライン)〕の4基の富士塚が国の重要有形民俗文化財に指定されている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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