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富士製鉄 : ウィキペディア日本語版
富士製鐵[ふじせいてつ]

富士製鐵株式會社〔「社」の示偏)は、新字体の「礻」ではなく康熙字典体の「示」。〕(ふじせいてつ、英文社名 ''Fuji Iron & Steel Co., Ltd.'')は、かつて存在した日本鉄鋼メーカー(高炉メーカー)である。略称は富士鉄(富士鐵、ふじてつ)。
1950年昭和25年)に、財閥解体により解体された日本製鐵(日鉄)の後継会社の一つとして発足。同じく日鉄の後継会社であった八幡製鐵1970年(昭和45年)に合併し、新日本製鐵(新日鉄・現:新日鐵住金)となった。
== 概要 ==
前身の日本製鐵(日鐵)は財閥解体の対象となり、過度経済力集中排除法(集排法)の適用を受けて1950年(昭和25年)4月に解体された。日鐵解体に伴って発足した後継会社の一つがこの富士製鐵である。日鉄の鉄鋼部門を引き継いだ高炉メーカーで、粗鋼生産量は日本第2位、同じく日鉄の後継会社である八幡製鐵と並ぶ規模の大手高炉メーカーであった。
製鉄所は日鐵から継承した広畑室蘭釜石と、系列高炉メーカーの東海製鐵の合併により1967年(昭和42年)に加わった名古屋の計4か所。長らく広畑を主力としたが、末期には名古屋が生産規模の上では広畑を凌いだ。いずれも銑鋼一貫製鉄所で、銑鉄や鋼材の製造・販売を主力の事業とした。鉄鋼業の指標となる粗鋼の生産量は発足当初は90万トン(1950年度実績)に過ぎなかったが、3度にわたる設備拡張計画で1969年度には約17倍の1500万トンに達した。製品面でも、この間に汎用鋼材のみから表面処理鋼板や高張力鋼電磁鋼などの高級鋼材の生産も可能になった。事業はこれらの鉄鋼の製造のほかにも、橋梁配管工事や建築物の建設、化成品の製造・販売も行っていた。
1968年(昭和43年)に、八幡製鐵との合併を発表する。合併によって巨大高炉メーカーが発足するために混乱があったが、2年後の1970年(昭和45年)3月に八幡製鐵と合併、新日本製鐵(新日鐵)として発足した。この合併では、手続上は八幡製鐵が存続会社となって新日本製鐵に社名を変更し、富士製鐵は解散したという形を採っている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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