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富山地方鉄道16010形電車 : ウィキペディア日本語版
富山地方鉄道16010形電車[とやまちほうてつどう16010がたでんしゃ]

富山地方鉄道16010形電車(とやまちほうてつどう16010がたでんしゃ)は、富山地方鉄道(地鉄)に在籍する電車
保有する車両の冷房化率向上、ならびに老朽化した従来車の代替を目的として、元西武5000系電車「レッドアロー」のうち、5501・5507編成を1995年平成7年)から1996年(平成8年)にかけて譲り受けたものである。
== 導入の経緯 ==
地鉄では、1979年(昭和54年)の14760形導入以来、車両の冷房化を進めており〔、10020形14720形14780形の冷房改造を進める一方で〔、京阪3000系の車体を購入した10030形によって旧形式車両を置き換えており〔、1995年(平成7年)1月時点では鉄道線の旅客車両51両のうち47両が冷房装備となった〔。軌道線では既に1993年(平成5年)に全車両の冷房化を完了しており〔、残る4両の非冷房車も置き換えが必要であったが、既に京阪3000系の車体は購入できない状態であったため〔、新たに他社の車両から購入できそうな車両を探すことになった〔。
折りしも西武鉄道の5000系が廃車になる時期で〔、地鉄関係者が実車を調査した結果、観光列車としてのサービス水準を満たし、通勤輸送も地鉄程度の輸送人員であれば対応可能という判断が下され〔、状態も良好であったことから、1995年(平成7年)1月に西武5000系の購入が決定された〔。ただし、西武では5000系の台車・主要機器を同社10000系新製に際して転用することが決定しており〔、車体と一部の機器以外の譲渡は不可能であったため、地鉄では車体のみを購入し〔、主要機器は他社より譲渡を受けたり新製でまかなうこととし〔、導入に伴う各種改造は地鉄稲荷町工場(現・稲荷町テクニカルセンター)において施工されることになった。
同年7月の観光客輸送に間に合わせるため〔、さまざまな準備が行なわれた。
通常、西武で廃車になった車両が他社へ売却される際には、所沢工場において整備し、輸送の手配も西武側で手配するのが通例であった〔が、西武5000系の譲渡に際しては、西武は使用する機器を外しただけの状態で手を加えないまま地鉄に引き渡されることになり、輸送手配についても地鉄が手配することになった〔。輸送については、半年以上前に申し込みが必要な甲種車両輸送では間に合わないため、トレーラーによる道路輸送が手配された〔。これと並行して、主要機器の手配も進められた。
同年3月22日付で廃車となった3両は、同年4月に3回に分けてトレーラーによって輸送されたが、この年に輸送された3両では輸送ルートを関越北陸自動車道経由として〔、所沢工場から搬出された翌日朝には南富山駅構内に搬入され〔、いずれも到着したその日のうちに稲荷町工場に収容された〔。
稲荷町工場では、本車両の改造の工程を捻出するため、在来車の定期検査を前倒しで行い、本車両の改造の時期に他車の定期検査などが重なることを回避した〔ほか、重整備を担当する部門だけではなく、日常点検を担当する部門からも人員を確保した〔。
こうして、西武鉄道の廃車後わずか4か月弱で、地鉄の車両として登場したのが16010形である。西武5000系は西武在籍当時は6両編成であったが、そのうち1・5・6号車に相当するクハ5500形(奇・偶)ならびにモハ5050形(偶)が譲渡対象となり、地鉄ではモハ16011形(Mc)-モハ16012形(M')-クハ110形(Tc)からなる3両編成に組み替えられた。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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