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寒河江孝広 : ウィキペディア日本語版
寒河江孝広[さがえ たかひろ]

寒河江 孝広(さがえ たかひろ、旧字体:孝廣)は戦国時代武将寒河江氏15代。寒河江城主8代。
== 生涯 ==
寒河江宗広の正室の子(六男)として生まれる。永正元年(1504年)2歳の時、父の死により叔父宗綱が仏門に入っていた庶兄祥真を後継に押し、またもう一人の叔父広直とその養子広説(白岩満広の子)は正室の子孝広を押した。この後継者争いに1504年最上氏を継いだ最上義定が介入し3度も攻め寄せたが、白岩満教出羽吉川氏出身)・左沢満政・白岩満広らの団結により撃退した。この時の兵乱により慈恩寺が焼失している。後継者争いは結局、叔父宗綱・庶兄祥真が葬られ孝広が永正2年(1505年)3歳にして寒河江氏を継ぎ、最上氏とは和睦した。幼少の間は叔父広直が執政として政務を取り仕切り、広直は永正年中(1504年~1520年)に没したという。
孝広の姉妹は中野氏・山野辺氏に嫁いでおり、山野辺氏と間の娘(孝広の姪)は最上義定に嫁いで最上氏宗家とも間接的な縁戚関係となった。
永正5年(1508年)焼失した慈恩寺の仮本堂が再建された。越後国守護上杉定実が義父上杉房能と戦い殺害すると、房能の兄関東管領上杉顕定は永正6年(1509年)報復として越後に侵攻する。この時寒河江孝広にも檄文が届き、援軍を送ったとされる〔『寒河江大江氏』p.97-98〕。永正9年(1512年庄内大宝寺氏砂越氏が争うと、勝者の村山地方への進出を警戒し、最上義定が寒河江まで軍を進めた。永正11年(1514年伊達稙宗最上氏領内に侵入すると寒河江氏は最上義定に援軍を出し、長谷堂(山形市)で戦闘となって楯岡・長瀞・山辺式部とともに宗家の吉川政周が討ち死している。翌永正12年(1515年)最上氏と伊達氏の和睦が成立し、稙宗の妹が最上義定に嫁ぐこととなった。この和睦の仲介をしたのは寒河江氏一族の白岩満教であったという(『安中坊系譜』)。
永正14年(1517年)15歳となった孝広は紀州熊野へ参詣した。往復125日の旅だった〔「安中坊系譜」『寒河江市史 大江氏ならびに関連史料』p.104〕。同年伊達稙宗が足利義稙の上洛祝賀の為として多額の進物を送り、管領・細川高国を通じて一字拝領を願い出て許され、偏諱を受けて名を稙宗に改めるとともに、孝広の父宗広が称した左京大夫に任官された〔この偏諱・任官の申請は将軍義稙は拒否する意向であったが、高国の判断で認められ、後日両者の関係を悪化させる一因になった(浜口誠至『在京大名細川京兆家の政治史的研究』思文閣出版、2014年、P227)〕。
永正17年(1520年)最上義定が嗣子のないまま死去すると、義定未亡人を介して伊達稙宗に影響力を行使されることを嫌った諸将が反旗を翻し、伊達氏と最上氏の対立が起こる〔山野辺夫人の名がこの頃出てこないことから、子などがなく影響力が皆無であったと思われるが寒河江氏は最上氏側に付いている。〕。稙宗は破竹の勢いで上山・山形・天童・高擶(たかだま)を落とし、高擶では援軍として赴いた寒河江氏の家臣7名が捕虜になっている。翌永正18年(1521年)伊達稙宗は葛西相馬岩城会津宮城国分・最上の軍勢を集結し、高瀬山(現・寒河江市高瀬山)から八幡原(現・寒河江市元町)にかけて陣を敷いた。一か月に及ぶ滞陣の間に伊達氏と寒河江氏の間で交渉がまとまり、戦火を交えず伊達軍は引き上げた。
大永6年(1526年楯岡義輔の娘を娶り縁戚関係となる。同年4月大沼大行院で柴橋氏より入った良覚が先祖供養の碑を建立し孝広に対して披露した。孝広は燈明田を与えた。翌大永7年(1527年)病を得て2月1日に没した。数え25歳だった。子は女子しかなく、庶兄で仏門にあった法華院光栄が広種と改名・還俗し跡を継いだ。没した大永7年孝広名で大沼大行院の再建が行われている〔大沼大行院系図『寒河江市史 大江氏ならびに関係史料』p.198〕。
なお、将軍地蔵を祀った地蔵堂(養珠院)への信仰が極めて厚かったため、没後ここに葬られ開基旦那とされた。元和6年(1620年)信州須坂興国寺9世桂岸嬾察和尚が陽春院の開山初世となった。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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