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複素多様体論や代数多様体論では、対数的(logarithmic)微分形式は、ある種類の極をもつ有理型微分形式である。 X を複素多様体とし、D ⊂ X を因子、ω を X−D 上の正則 p-形式とする。ω と dω が D に沿って大きくとも 1 の位数の極を持つとき、ω を D に沿って対数的極を持つという。ω は対数的 p-形式とも呼ばれる。対数的 p-形式はD に沿った X 上の有理 p-形式の層をなし、次のように書く。 : リーマン面の理論では、次の局所表現を持つ対数的 1-形式が存在する。ある有理型函数(有理函数) に対し : となる。ここに g は 0 で正則で 0 とはならなく、m は f の 0 でのオーダーである。すなわち、ある開被覆が存在し、この微分形式の対数微分としての局所表現が存在する(通常の微分作用素 d/dz の中の外微分 d を少し変形する)。ω が整数の留数の単純極を持つだけであることに注意する。高次元の複素多様体では、(Poincaré residue)は、極に沿った対数的微分形式の振る舞いを記述することに使われる。 ==正則対数複体== の定義と外微分形式 d は d2 = 0 を満たすという事実により、 : を得る。このことは、因子 D に対応する正則対数複体(holomorphic log complex)として知られている層の複体 が存在することを意味する。この複体は、 の部分複体であり、そこでは は包含写像であり、 は X − D 上の正則形式の層の複体である。
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