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対日新思考(たいにちしんしこう)とは、中国における対日思想の1つ。 == 概要 == 歴史教科書問題や靖国参拝問題といった過去の歴史認識をめぐり21世紀初頭の日本と中国とは経済面での関係深化とは裏腹に完全に冷え切っており、「政冷経熱」とも称されるこの対照的な2つの流れは、今後日中が共同で克服すべき重要な課題の1つとなっている。 このような情勢の中、2002年12月に人民日報の論説員(当時)であった馬立誠が、政策論議で知られる中国のオピニオン誌『戦略と管理』(2002年6号)の中で、「対日関係の新思考-中日民間の憂い」という論文を発表した。その内容は、“日本の戦争謝罪は十分であり、また、日本が再び軍国主義になる心配は無い。これからは経済・市場において日本と争うべき”という趣旨のもので、中国国内におけるナショナリズムや狭隘な反日感情を非難した。この論文は中国国民から猛烈な批判を浴び「売国奴」とまでされたものの、中国のマスコミは馬立誠の意見を擁護し、また日本でも、それまでは考えられなかった新しい思想の1つとして学者たちを驚かせ、各種新聞や『文藝春秋』『中央公論』などの月刊誌で紹介された。 また馬立誠に続き、中国人民大学教授の時殷弘が同じく『戦略と管理』(2003年2号)に「中日接近と外交革命」という論文を、中国社会科学院研究員の馮昭奎が同誌(2003年4-6号)に「対日関係の新思考を論ず」という論文をそれぞれ寄稿し、“日本を1つの経済大国と認識して、その関係を重視する方が中国にとっても有益”という対日新思考外交を打ち出して中国政府による外交革命を提言した。 このように、中国では経済の急成長や日中の相互依存関係の深化にしたがって日本に対する新たな見解も芽生えてはいるが、2005年の反日デモや尖閣諸島問題、東シナ海ガス田問題などからもわかるように、未だ日中両国の国民感情の間には大きな溝があり、この思想は中国国内においてはあくまで一部知識人の多様性の1つに留まっていて同国の世論の主要な潮流とはなってはいない。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「対日新思考」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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