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小田急20000形電車 : ウィキペディア日本語版
小田急20000形電車[おだきゅう20000がたでんしゃ]

小田急20000形電車(おだきゅう20000がたでんしゃ)は、1991年から2012年まで小田急電鉄(小田急)が運用していた特急用車両ロマンスカー)である。
小田急小田原線東海旅客鉄道(JR東海)御殿場線との相互直通運転に使用される車両として1991年に登場した〔。JR東海との協定により、371系電車と基本仕様を統一した〔ため、それまでの特急ロマンスカーとは異なり連接構造前面展望席が採用されず〔、2階建て車両(ダブルデッカー)〔や特別席スーパーシートグリーン席)を設置している〔ことが特徴である。 "Resort Super Express" (略して「RSE」)という愛称が設定され〔、1992年には鉄道友の会よりブルーリボン賞を授与された〔が、2012年3月のダイヤ改正をもって営業運転を終了〔、1編成が富士急行に譲渡され、2014年から同社8000系として運用を開始した〔。
小田急では、編成表記の際には「新宿寄り先頭車両の車両番号(新宿方の車号)×両数」という表記を使用している〔『鉄道ダイヤ情報』通巻145号 p.15〕ため、本項もそれに倣い、特定の編成を表記する際には「20002×7」のように表記する。また、特定の車両については車両番号から「デハ20300番台」などのように表記し、区別の必要がない場合はスーパーシート・グリーン席はまとめて「特別席」、初代3000形は「SE車」、3100形は「NSE車」、7000形は「LSE車」、10000形は「HiSE車」、本形式20000形は「RSE車」、60000形は「MSE車」、日本国有鉄道は「国鉄」、東海旅客鉄道(JR東海)は「JR」、371系電車は「371系」、箱根登山鉄道箱根湯本駅へ乗り入れる特急列車には「箱根特急」と表記する。
== 登場の経緯 ==
小田急では、1955年から御殿場線へ直通する列車キハ5000形気動車により運行を開始し〔、御殿場線が電化された1968年7月以降は8両連接から5両連接に短縮したSE車を使用して連絡急行「あさぎり」として運行していた〔。SE車は耐用年数を10年として製造された車両であり〔、1968年の時点で既に10年を超えていたことから小田急社内では反対の声もあった〔が、国鉄の組合闘争の激しかった時期で「NSE車が乗り入れてくれば反対する」という噂もあり〔、在来車の改造で対応したものである〔。その後、1980年代にはLSE車で車齢25年を超えたSE車を置き換える案もあった〔が、これも当時の国鉄側の現場の反応などを考慮して〔〔LSE車は1982年12月に国鉄に貸し出され、東海道本線で高速試験を行っている。〕、仕方なくSE車を更新することで対応していた〔。一方、御殿場線沿線では1964年ごろから小田急の直通列車を沼津まで乗り入れるように要望が出ていた〔が、当時の御殿場線は御殿場から裾野までの約15kmにわたって列車交換設備がなく〔、国鉄財政の問題もあって実現しなかった〔。
国鉄分割民営化後、1989年には御殿場線の利用者が増加したことに対応して富士岡岩波に列車交換設備が新設された〔。これより前の1988年7月に、車齢30年を超えたSE車の更新について小田急からJRに対して申し入れがあったこともきっかけとなり〔、小田急とJRの間で相互直通運転に関する協議が進められることになった〔。この協議の中で、特急に格上げした上で運行区間も新宿 - 沼津間に延長し〔、あわせて2社がそれぞれ新形車両を導入した上で相互直通運転に変更することとなり〔、登場したのがRSE車である。
2社の協議によって「相互直通運転車両の規格仕様に関する協定書」に基づいた設計となり〔、編成の内容や定員・性能・保安機器などは極力合わせ〔、それ以外の部分については各社ごとの特色を活かす方針となった〔。このため、特急ロマンスカーとしては2300形以来の通常のボギー車となった〔ほか、前面展望席も設置されないことになった〔。また、「あさぎり」だけではなく箱根特急にも使用することから、編成長は全長140m程度の7両固定編成とすることになった〔。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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