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小田急2320形電車 : ウィキペディア日本語版
小田急2320形電車[おだきゅう2320がたでんしゃ]

小田急2320形電車(おだきゅう2320がたでんしゃ)は、かつて小田急電鉄に在籍した電車である。
両開きの客用扉を2か所に持つセミクロスシート車で、特急ロマンスカーを補完する準特急〔小田急の準特急は接客設備の格差によるものであった。接客設備の格差を理由に格下の種別を使用した事例は他にも東武伊勢崎日光線系統の快速急行だいや・おじか」がある(こちらも他社の快速急行とは異なり、急行の速達化というより急行「りょうもう」よりランクが劣る快速用車両を使用したものであった)。〕用車両として1958年(昭和33年)に登場し、土休日の準特急運用を中心に使用され、平日には急行各駅停車といった料金不要列車にも使用されていたが〔『鉄道ピクトリアル』通巻829号 p152〕、1963年には、3100形NSE車が増備されたことから準特急という種別そのものが廃止となったため、2300形とともに3扉ロングシート通勤車両へ改造され、2200形・2220形・2300形と共通運用で使用されることになった。これらの4形式は、搭載制御器にちなみABFM車(またはFM車)〔ABF車と同様に、A(Automatic acceleration:自動進段)、(Battery voltage:低電圧動作)、F(Field tupper:弱め界磁機能)、M(Multiple notch:多段進段)の頭文字を並べた三菱電機製制御器搭載車を指す。主回路内部のスイッチグループを多段化したことでスムーズな加速を実現し、弱め界磁制御の範囲拡大で高加速性能と高速運転性能の両立が可能となった。〕と呼称された。
小田急では1983年(昭和58年)まで使用された。廃車後は4両が富士急行に売却され、同社5700形として使用されたが、1994年12月に2両が廃車となり、残る2両も1997年2月に廃車となった。
== 登場の経緯 ==
小田急のロマンスカーの地位を不動のものにした車両とされている〔保育社『日本の私鉄5 小田急』(1983年7月1日重版)p16〕1700形が導入されて以後、特急の利用者数は増加の一途をたどった。このため、1953年9月の土休日から、特急を補助する目的の列車の運行を開始した。
当初はサービスカーと称し、ABF車〔1600形1900形などの車両で、A(Automatic acceleration:自動進段)、B(Battery voltage:低電圧動作)、F(Field tupper:弱め界磁機能)の頭文字を並べた型番のウェスティングハウス・エレクトリックあるいはそのライセンシーである三菱電機製の間接自動制御器を搭載する車両を指す。〕や2200形・2220形などを使用していたが、1958年からは準特急という種別に変更の上座席指定料金を徴収することになったため、車両についても料金を徴収することに見合った車両を用意することになり、製造されたのが本形式である。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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